1999年政府活動報告(全文)

 代表のみなさん

  ここに国務院を代表して、大会に政府活動報告を
行い、審議を求めるとともに、全国政治協商会議の委員
のみなさんからもご意見を求めたいと思う。

 一 一九九八年度の活動の回顧と一九九九年度の
   活動全般についての要求

  過去一年、複雑で厳しい内外の経済環境に直面し
て、全国各民族人民は団結して奮闘し、幾重もの困難を
克服し、改革開放と社会主義現代化建設の事業は大きな
成果を勝ち取った。年初に定めた改革と発展の諸目標は
基本的に達成された。

  国民経済はわりあい速いテンポの成長を保ってい
る。国内総生産(GDP)は前年度比七・八%の伸びで
、八%の予定目標よりやや低くなってはいるものの、ア
ジア金融危機の衝撃を防ぎ止め、国内の大洪水による災
害にうち勝ったという状態のもとで収めた成果であり、
容易なことではなかった。アジア金融危機の影響に対応
して、われわれは年初から投資の増加、内需の拡大とい
う対策をとってきた。しかし、アジア金融危機の波及範
囲の広さ、深刻さ及びわが国への影響の度合は予想以上
に厳しいものであった。輸出伸び率の大幅な落ち込みと
内需が経済を押し上げる力が不十分であったため、昨年
前半期の経済成長率はスローダウンする趨勢が現われた
。こうした状況に対して、中央は積極的な財政政策の実
施を思い切って決定し、全国人民代表大会常務委員会が
補正予算を承認した後、国務院は一〇〇〇億元の財政債
券を増発し、インフラ建設への投資の増加に重点的に用
いた。昨年下半期には国有企業事業体の固定資産投資の
伸び率が著しく増大し、通年で対前年比一九・五%伸び
、全社会固定資産投資は一四・一%伸びた。投資の比較
的大幅な増加は経済成長を牽引するうえで顕著な役割を
果たした。

  昨年長江、嫩江と松花江の流域に史上まれに見る
大洪水による水害が発生し、直接の経済的損失は二〇〇
〇億元以上に達し、多くの鉱工業企業が操業停止に追い
込まれ、長江の一部区間で航行が一ヵ月以上中断され、
生産・建設と商業・貿易に非常に大きな影響をもたらし
た。党と政府の確固たる指導の下、広範な軍隊、人民が
団結して奮闘し、とくに人民解放軍は代替することがで
きない、カギとなる役割を果し、洪水に立ち向かう闘い
で偉大な勝利を勝ち取り、災害による損失を最小限度に
食い止めた。災害後の生産回復と古里の再建作業が順調
に進んでいる。大災害に見舞われた年にもかかわらず、
農業は依然として豊作であった。洪水に立ち向かい、堤
防の決壊を防ぐ闘いの中で発揮された洪水とたたかう偉
大な精神は、われわれの事業を発展させる力強い原動力
となった。

  周辺の多くの国の通貨が大幅に切下げられた状況
のもとで、われわれはプラス・マイナスの大小を計った
うえで、人民元を切下げずに頑張ってきた。それと同時
に、輸出の奨励と外資導入など多様な政策を実行し、密
輸入や外貨の詐取、外貨の不法な外国への持出し、外貨
の闇取引行為などを厳しく取り締まる闘いを徹底して行
ったため、対外貿易と外資利用に大きな変動が生じるの
をまぬかれて、外貨準備は幾らか増加した。実践が立証
しているように、人民元を切下げなかったことは、まっ
たく正しかった。これは、わが国の経済の安定と発展に
プラスになっただけでなく、アジアひいては世界の金融
と経済の安定のためにも積極的な貢献をした。

  経済の発展と同時に、改革もひきつづき推進され
た。国有企業の改革はいっそう深化している。紡績、石
炭、石油と石油化学、冶金などの業種および国防工業の
調整と再編には新たな進展が見られた。国務院が一部の
国有重点企業に監察特派員を派遣する試みは、一応の成
果をあげている。国有企業の一時帰休者の基本生活保障
と再就職の仕事はあまねく強化され、大多数の一時帰休
者は再就職サービスセンターに入るとともに、基本生活
費を受領し、年間を通じて六〇〇万以上の一時帰休者が
再就職した。企業を定年で引退あるいは退職した職員・
労働者の養老年金は期限通りに全額給付されている。食
糧流通体制の改革は着実に推進され、国有食糧買付・備
蓄企業は新たな欠損を基本的に食い止めた。金融体制の
改革と金融リスクの防止等の仕事において重要な一歩を
踏み出した。国務院の機構改革は順調に進み、所定目標
を達成した。国務院の構成部門は四〇から二九部門に減
り、部門内部に設置される機構は四分の一を減らし、企
業、社会仲介機構と地方に二〇〇余の職能を引き渡し、
人員削減では総数を半分に減らし、政府機関の建設と活
動のスタイルに新しい気風が生れている。軍隊、武装警
察部隊と公安・司法機関がビジネスに従事することを取
止め、中央の党・政府機関が経営してきた経済的実体お
よびその管理下の直属企業を切り離すという中央の政策
決定は、着実に実施されている。中国人民解放軍の建設
と改革は新たな成果をあげ、兵員五〇万削減の作業はス
ムーズに進展している。都市部における住宅制度の改革
、都市部職員・労働者医療保険制度の改革案も目下実施
中である。大多数の都市では住民の最低生活保障制度が
確立された。諸改革の推進は社会主義市場経済体制を確
立し、経済と社会の発展を促進するために積極的な役割
を果たしている。

  科学技術・教育と諸般の社会事業は引き続き発展
している。国務院は国家科学技術・教育指導グループを
設置し、科学技術・教育に対して指導を強化し、中央財
政は科学技術・教育への投入をより多く増やした。科学
技術の創造・革新システムづくりに新たな進展が見られ
、カギとなる技術の難関突破研究でも新しい成果がたく
さん見られ、多くの国家重要科学プロジェクトが建設、
実施されはじめ、基礎研究が強化されている。各レベル
・各種の教育はいっそう発展している。大学教育の体制
改革と構造調整のテンポが速まった。全国的に九年制義
務教育が基本的に普及し、青壮年の非識字者を基本的に
なくす仕事は年度目標を達成し、中等職業教育はさらな
る発展を見せた。環境保護・対策の仕事にも力を入れた
。重点地区における生態プロジェクト建設と長江、黄河
の上流の自然林保護プロジェクトは全面的にくり広げら
れている。淮河、太湖の汚染処理は一応成果を収めた。
社会主義精神文明建設と民主・法制建設が強化された。
文学・芸術、報道・出版、放送・テレビ・映画、社会科
学、計画出産、医療・衛生、スポーツなど諸般の社会事
業は新たな成果を獲得した。各級政府は法に基づいて行
政を執行する度合をいくらか向上させた。農村の末端に
おける民主の建設が強化された。社会治安の総合対策は
積極的な成果を収め、社会の安定を維持した。廉潔政治
の建設と腐敗に反対する闘争においても新しい進展が見
られた。

  都市・農村住民の生活水準は引き続き向上してい
る。農村住民一人当たりの純収入は価格下落要因による
修正後対前年度比実質四・三%伸び、都市部住民一人当
たりの可処分所得は実質五・八%伸びた。市場には商品
が十分に供給されている。経済的で実用的な住宅の建設
と販売がかなり大幅に伸びた。都市のインフラ、環境保
全のインフラの建設も強化された。都市・農村住民の生
活条件はいっそう改善されてきている。

  過去一年間にわれわれがこのように大きな成果を
収め得たのは、主として江沢民同志を中核とする党中央
の確固たる指導のもと、いち早く果断に一連の正確な政
策決定を行ったからである。さらにもう一つは二十年間
の改革・開放と経済の発展が、巨大な困難に打ち勝つた
めの物的基盤と体制上の条件を創り出していたのである
。各地区、各部門は中央の方針と政策を真剣に貫徹し、
全国の各民族人民は心を合わせて協力し、進取の精神を
奮い立たせ、高度の主体性と創意性を発揮した。私はこ
こに国務院を代表して、全国の諸分野で奮闘している広
範な労働者、農民、知識人、公務員、人民解放軍、武装
警察部隊の将兵と公安幹部・警察官及び各界の人々に対
して、崇高な敬意を表するものである。祖国の建設と統
一に関心と支持を寄せる香港特別行政区の同胞並びに澳
門(マカオ)、台湾の同胞と海外の華僑同胞に対して、
衷心からの感謝の意を表わすものである。

  成果を認めると同時に、われわれは前進途上にな
お少なからぬ困難と問題が存在していることを冷静に見
て取っている。それは主として次のような問題である。
市場の需要がふるわず、景気浮揚の推進力が弱いこと。
多年にわたる重複建設により大多数の工業業種において
生産能力が過剰となり、経済構造の矛盾がいっそう際立
って、経済運営の質と効率が高くないこと。一部の国有
企業は経営難がいっそう深刻化し、長年にわたって蓄積
されてきた金融リスクを無視することはできなくなって
いる。財政・経済面の規律が緩み、経済秩序が相当混乱
していること。むやみに費用を徴収したり、不当に資金
を調達したり、分担金を割当てたり、やたらに罰金を科
したりすることに対して、何度禁止してもなくならない
こと。一部地方の農民と企業は重い負担に堪えられなく
なっていること。一部大衆の生活はなおかなり困難な状
態にあって、社会における就業の圧力がかなり大きく、
生態環境悪化の問題がかなり際立っていること。一部の
好ましくない腐敗現象がなお比較的深刻であり、一部地
方の社会治安状況がよくないこと。われわれはこれらの
問題を十分に重視し、目下措置を講じて逐次解決に努め
ている。

  代表の皆さん 一九九九年にわれわれは新中国の
建国五十周年を祝い、澳門(マカオ)の祖国復帰を迎え
るにあたって、諸般の活動を立派にやり遂げる意義はき
わめて大きい。今年度の政府活動についての全般的な要
求は次の通りである。ケ小平理論という偉大な旗印を高
く掲げ、中国共産党第十五回大会と十五期三中総会の精
神を深く貫徹し、着実に実施し、改革開放を引き続き推
し進め、科学技術・教育による国家振興の戦略と持続可
能な発展の戦略の実施に力を入れること。内需の拡大を
経済成長を促すための主要な措置とし、農業を安定させ
、強化し、国有企業の改革を深化させ、経済構造を調整
し、都市・農村市場の開拓に努め、あらゆる手を尽くし
て輸出を拡大すること。金融リスクを防ぎ、解消し、経
済秩序を整備し、国民経済の持続的でテンポの速い、健
全な発展を保つこと。民主・法制建設と精神文明建設を
確実に強化し、社会の全面的な進歩を促すこと。改革、
発展、安定の関係をさらに適切に処理し、社会的に政治
的安定を確保し、改革・開放と社会主義現代化建設の素
晴らしい成果をもって新中国の建国五十周年を迎えよう

  今日、世界の金融市場と経済情勢には不確実な要
素が増え、国際競争は日増しに激化し、輸出拡大の困難
も大きくなっており、国内にも少なからぬ矛盾と潜在的
懸念要因が存在している。これに対して、われわれは冷
静な頭脳を保って、より大きな困難の克服に備えなけれ
ばならない。と同時に有利な条件がたくさんあることを
も見て取るべきである。昨年来取ってきた内需拡大等の
政策、措置の効果は一層あらわになっており、国内市場
にはなおきわめて大きな潜在力がある。物資備蓄と外貨
準備にはかなりの余裕がある。われわれは新しい情勢の
もとで、マクロ規制を正しく行い、経済成長を促す経験
と方法を一歩一歩積み上げてきた。わが国は政治も、社
会も安定し、経済が持続的に発展して、改革が段階を追
って深化している。これは、対外開放の拡大にとってよ
り良い環境を提供している。われわれは思想を統一し、
信念を固め、チャンスをとらえ、困難を押してそれに立
ち向かい、一致団結、刻苦奮闘して、今年度の諸般の活
動をさらに立派にやり遂げなければならない。

 二 ひきつづき内需を拡大し、積極的な財政政策を実
   施する

  内外の有利な条件と制約要因を総合的に分析する
ことにより、今年の経済成長は七%前後と予測している
。構造の最適化、品質・効率の向上をふまえて七%前後
の成長率を達成するのは容易なことではない。だが、努
力することで目標を達成することはやはり可能である。
この成長率は指導的なものであり、また全国的な数値な
ので、各地方の状況は異なり、成長率が高いところもあ
れば、低いところもあろう。

  今年の経済の比較的速いテンポの成長を達成する
には、なによりもまず内需の拡大に立脚し、ひきつづき
積極的な財政政策を実施しなければならない。これは昨
年の実践によって立証されているように、需要がふるわ
ない状況のもとで経済の発展を牽引するための有効な措
置である。今年、われわれが直面している外部の経済環
境は依然として非常に厳しく、国内の消費需要が、短期
間に比較的大きな伸びを示すのも難しい。したがって、
国家財政からひきつづき商業銀行向けに長期国債を発行
して、主としてインフラ建設の強化に用いるとともに、
さまざまな方法を講じて、融資のルートを広げ、集団、
個人経営者および社会のその他の面の投資増大を奨励、
誘導し、投資需要をいっそう拡大することが、避けられ
ない。経済が発展し税収が増加するようになれば、財政
上の債務も償還できるようになり、財政赤字も次第に縮
小するようになるだろう。

  通常の状況のもとでは、財政赤字を拡大すること
によって建設をすすめると必ずインフレを招来すること
になり、これはわが国の歴史上数多くの深い教訓がある
。ところが、当面の特定の条件のもとでは、こうした危
険の発生する可能性は大きくない。現在、銀行の預貯金
残高がかなり多いので、財政債券によって一部の預貯金
をインフラ建設に対する投資に転化させても、通貨の過
剰発行にはならない。食糧などの主要農産物、工業品消
費財と生産財の供給が十分であり、物価が比較的安定し
ているため、財政赤字と国債の規模を適度に拡大しても
、適切に運用するなら、インフレになることはない。昨
年度はインフラ建設の強化のため財政面で国債発行を一
〇〇〇億元増やし、銀行もそれ相応に貸付額を増やした
が、通貨の年間発行量は年初の計画よりも五〇〇億元近
く少なかった。社会商品小売物価と消費者物価の全般的
水準は前年度より低くなっている。今年度の中央財政予
算では赤字は一五〇三億元で、前年度より増えているが
、債券発行の規模は拡大していない。現在、財政赤字と
累計国債残高の当年度国内総生産(GDP)に占める割
合は国際的に公認された警戒ラインを下回っているので
、受容することができる。

  もちろん、財政赤字を拡大することによって建設
をすすめるのはリスクがないとは言えないが、問題はこ
の資金を上手に運用できるかどうかにある。もし一斉に
わっと取り組んだり、やたらに間口を広げたり、重複し
た建設や劣悪な工事が横行すれば、財政にとって重い負
担となり、遅かれ早かれひどいインフレを招来すること
になる。党中央、国務院はこの問題を非常に重視し、昨
年においても財政債券を利用して建設を行うときには、
必ず資金の合理的な投入方向を確実に保証し、力を集中
して農業、林業、水利、交通、通信、都市公共施設、環
境保全、都市・農村の電力輸送網の改良、食糧倉庫など
のインフラ建設をりっぱにすすめ、建設中のプロジェク
トを優先させ、中部・西部地区への傾斜に意を注ぎ、中
部・西部地区の経済発展を促進する。明確に指摘した。
既存企業の技術改良については経済構造の調整を促進す
る必要があり、主に銀行融資を割当てるが、財政債券か
らも必要なサポートを与えるべきである。但し、ひたす
ら生産能力の拡張に走って、ひきつづき重複建設や浪費
を生むようなことは決してしてはならず、市場のニーズ
に合った品種の増加、品質・効率の向上を達成できるプ
ロジェクトでなければならない。インフラはわが国のウ
ィークポイントなので、全体としては重複建設の問題は
存在しない。インフラの建設を強化することによって、
当面の経済成長を牽引できるだけでなく、経済発展の底
力を増強することもできる。

  インフラ建設をすすめるには、なによりもまず全
面的に計画し、合理的に配置し、プロジェクトを正しく
選択し、真面目にフィージビリティー・スタディをおこ
なうべきで、決してそそくさと着工してはならない。上
述のこれらの分野のプロジェクトには、料金の徴収を通
して投資を回収できるものもあれば、直接的な経済的効
果はないが、社会的効果が著しく、経済全体の発展に役
立つものなので、国家財政の総合的償還能力を増強でき
るものもある。その次には、なんとしても工事建設の質
を確保しなければならない。最近、明らかになっている
一部のプロジェクトでの重大な欠陥工事事故は、国に重
大な損失をもたらしており、われわれは大いに注意すべ
きである。最近、国務院は特に全国的な会議を開き、工
事面の品質管理を強化することについて手配した。工事
の建設は百年の大計であり、質こそ第一ということを堅
持しなければならない。『建築法』を真剣に貫徹しなけ
ればならない。すべてのプロジェクトについて、建設の
手続きを厳しく執行し、フィージビリティー・スタディ
を強化し、定められた権限にしたがって審査・認可し、
実地調査・設計と施工を丹念に行い、竣工後のチェック
作業をまじめに行わなければならない。建築市場を改革
、整頓、規範化しなければならず、プロジェクト法人責
任制、入札制、工事監理制度と契約管理制度を積極的に
推し進め、何段階にもわたる下請けと不法下請を堅く禁
ずる。指導者責任制を各段階ごとに着実に実行し、経済
、法律、行政、世論による監督などの手段を総合的に用
いて工事の質という要所を厳格におさえる。事故の責任
者と関係ある指導者に対しては、厳しく取り調べ、処分
し、ひいては刑事責任まで追及する。第三、財政債券資
金の不法使用、他用途への使用を堅く禁ずること。資金
を経常的支出の補填またはその他の建設にふりむけたり
、ひいてはオフィスビル、公会堂、ホール、ホテルの建
設にまわすことは決して許されない。重要なプロジェク
トに対しては特別の会計監査および追跡の会計監査を行
う。法律を執行する度合を強め、法に依拠して建築分野
におけるさまざまな腐敗行為をきびしく取締る。

  積極的な財政政策を実施することは、金庫の扉を
開け放してお金を勝手放題に使うということではない。
国民の血税を大事にしなければならない。予算管理を強
化し、収入増加・支出節減に力を入れなければならない
。ひきつづき租税の徴収と管理を強化し、抜け穴を塞ぎ
、滞納を調査、追徴し、法律にもとづいて税務を管理し
て、収めるべき税はちゃんと収めさせるよう力を尽くす
。刻苦奮闘、勤倹建国を大いに提唱し、派手ごのみと浪
費に反対し、すべての不必要な行政支出を断固として圧
縮し、重点的な支出を保証する。財政・経済面の規律を
厳格にし、予算外資金の管理を規範化し、強化する。財
政・税務体制の改革をいっそう完備させる。重点は料金
の徴収を全面的に整理、規範化し、「料金徴収を租税徴
収に改める」ことを逐次実行することである。これは分
配関係をすっきりさせ、マクロ規制能力を増強し、党と
政府機関内の風紀を正すための重要な措置である。今年
は交通、車両に関する料金徴収の改革を突破口とし、経
験をつみ重ねてから、次第に推し広める。

 ここでとくに指摘しなければならないのは、積極的
な財政政策を実施することは特定の条件下で特定の政策
をとるということである。中・長期的に言えば、依然と
して財政収支を基本的に均衡させるという原則を堅持し
、適度に引き締めた財政政策を実行し、財政赤字を厳し
く抑制し、徐々に縮小していかなければならない。

 投資需要を拡大するとともに、効果的な措置を講じ
て消費需要を誘導し、拡大し、投資と消費を経済成長に
とっての二重の牽引力として形成していく。さまざまな
ルートを通して都市・農村の住民、とくに低所得層の収
入を増やし、消費者金融の発展を加速し、都市部住宅制
度の改革を推し進め、住民の住宅と大型耐久消費財の購
入をサポートする。住民が文化、レジャー、スポーツ、
観光などの消費を増やすよう積極的に導き、サービス消
費の分野を広げる。市場の流通を活気づけ、国内市場、
とくに農村市場を開拓し、各地方の農村の実際から出発
して、ニーズに合った、売れゆきのよい商品を生産、供
給し、広範な農村住民の生産と生活の要求を満たさなけ
ればならない。

 三 農業と農村経済の全面的な発展を促進する

  今年度の農業と農村をめぐる仕事は、党の第十五
期三中総の精神を全面的に貫徹し、農村における党の基
本政策を定着させ、農家請負経営を基礎とし、統一と分
割を結びつけた二段階の経営体制を定着、充実させ、ひ
きつづき農業への投入を増やし、農業と農村経済の全面
的な発展を促進し、農民の収入の増加に努めることであ
る。

  第一に、農業構造を調整し、最適化する。農業は
数年連続して豊作を収めて、多くの農産物の供給が需要
を上回っているため、価格が下落し、農民の収入の伸び
が鈍化してきている。これは、農業の生産が発展し、人
民の生活水準が向上したことを基礎とするなかで現れて
きた新しい問題である。二十年にわたる農村改革を通し
て、わが国の農業の発展は新たな段階に入った。新たな
段階の要請に応じて、仕事の力点を構造の調整と最適化
、生産物の質と経済効率の向上に移さなければならない
。今年度の食糧生産については、総量を安定させると同
時に、農民が売れ行きの良い良質の食糧類の生産を増や
すように導かなければならない。綿花作付の分布を合理
的に調整し、新疆の綿花生産地域については作付け面積
を安定させ、河北・山東・河南と長江流域については綿
花の作付け面積を調整してさらに減反をすすめる。牧畜
業、漁業およびその他の農産物の生産についても、市場
のニーズの変化に応じて、品種構成を調整し、生産物の
品質を高めなければならない。科学・教育による農業の
振興を大いに推進し、バイオテクノロジー、情報技術な
どハイテクの研究と開発・応用を強化し、優良品種の開
発・育成を速めて、先進的かつ実用的な増産・増収技術
を普及させる。

  第二に、水利を重点とする農業の基盤整備を強化
する。今年度は、中央財政からひきつづき水利建設と自
然林保護への投資をやや多く増やすことになるが、地方
財政からもそれへの投入を増やさなければならない。大
洪水の防御、大災害への対処に立脚して、増水期までに
洪水で壊された個所の修復工事を急ぎ、長江、黄河など
大河川の要所における主堤防を補強し、老朽化して潜在
的な危険がひそむダムの危険個所を修復、補強して、増
水期を無事に乗り切るようにしなければならない。都市
における洪水防御工事と沿海防波堤の建設を強化するこ
と。主要河川における肝心な工事の建設を急ぐ。大衆の
力を動員した農地・水利施設の建設を展開し、集団や個
々の農家がさまざまな形で小型の水利施設を建設し、運
営することを奨励する。計画的な水の使用や節水を重視
し、節水農業の発展に力を入れ、多様な節水技術を普及
する。汚染を防除して、水資源を保護する。洪水防御に
気を配ると同時に、干害への防止・対処に力を入れる。
最もきびしい土地管理制度と森林・草原保護措置を断固
として実行する。長江、黄河の上・中流域における自然
林の伐採をやめ、東北、内モンゴルの森林地帯およびそ
の他の自然林地帯に対しては、限度を設けて伐採するか
、または伐採をやめる。森林を破壊するような新たな農
地開拓や湖沼の干拓による農地造成を断固として取り締
まり、また行過ぎた開墾によって造成された農地や干拓
地に対しては、段取りをおって耕地を森林、草地、湖沼
にもどさなければならない。ひきつづき災害の復旧活動
に力を入れる。大規模な植樹造林と草地づくりをおこな
い、重点生態プロジェクトの建設に力を入れ、水土流失
対策を講じて、子々孫々のために「美しい山河」を残さ
なければならない。

  第三に、食糧流通体制の改革を積極的に推し進め
、農産物の流通を活性化させる。食糧流通体制の改革に
関する中央の方針・政策は、わが国の国情と社会主義市
場経済発展の要請に合致したものでり、確固として揺る
ぐことなくそれを貫徹、実行しなければならない。今年
度は、農民の余剰食糧の保護価格にもとづく無制限な買
付、食糧買付・備蓄企業の順ザヤ価格での販売、食糧買
付資金の一本化という「三項目の政策」の貫徹と国有食
糧企業自体の改革の加速を中心として、企業メカニズム
の健全化、関連政策の充実とその組織・実行面に工夫を
凝らさなければならない。食糧買付市場の管理に確実に
力を入れ、食糧販売市場を開放、活性化させて、食糧市
場に対する監督・管理を強化する。行政と企業の職責の
分離という原則にもとづき、食糧の買付・備蓄企業は自
主経営、独立採算制を実施し、経営メカニズムを真に転
換させ、サービス態度を改善し、農民の食糧販売の便宜
をはかる。それと同時に、コストの低減に努めて、積極
的に食糧を売るようにしなければならない。綿花の買付
・販売体制をいっそう改革し、市場による綿花価格形成
のメカニズムを政府の指導のもとで打ち立てて、綿花の
経営ルートを広げる。強力な措置を講じて、さまざまな
隘路を取り除き、条件を作り出して、農産物のスムーズ
な流通を確保する。

  第四に、郷鎮企業の構造を調整し、小都市の建設
を推進する。郷鎮企業が市場のニーズに合わせて製品構
成と企業の組織構造を調整するよう導く。郷鎮企業の発
展と農業の産業化経営の促進とを結びつけながら、食糧
などの農産物を原材料とする加工業を発展させ、食糧の
加工、付加価値の増大を促す。小都市の建設を速めるこ
とは、経済的、社会的発展の大戦略の一つである。小都
市における戸籍管理制度改革の試行に力を入れ、小都市
の発展を助成する投資、土地、不動産などの政策の策定
に取り組まなければならない。小都市の建設については
、科学的に計画し、合理的に配置すべきで、用地の節約
と生態環境の保全に意をくばり、みんなが一挙に行動す
ることを避けなければならない。

 第五に、農民の負担を軽減し、農村の安定を維持す
る。当面の急務は、断固として不当な費用の徴収など不
正な風潮を思い切って食い止め、国が文書ではっきり禁
止している各種費用徴収項目を廃止することである。ひ
きつづき農民の合理的負担項目と限度額を確定すること
に努め、いったん決めたら三年間は変えないようにする
。農村における費用を租税徴収に切り替える方案の策定
に力を入れ、それを実施に移して、農民の合法的な権益
を保障し、農民の負担が重過ぎる問題を根本的に解決す
る。農村における末端の民主を拡大し、村民による自治
を推し進め、村の事務公開を実施する。農村における末
端幹部の仕事のスタイルを改善し、法に従って義務を履
行することを農民に教え、幹部と大衆の関係を緊密なも
のとする。貧困扶助の難関突破に力を入れ、今年度にお
いて農村の貧困人口をさらに一〇〇〇万以上減らすこと
に努め、貧困に逆戻りすることを防ぐことに力を入れる

 四 国有企業の改革を大いに進める

  中央は一昨年度に、三年前後の期間をかけ、改革
、再編、改造、管理強化を通して、大多数の大・中型国
有赤字企業を苦境から脱出させ、大多数の大・中型国有
中堅企業に現代的企業制度をひとまず確立させるという
ことを提出した。今年度はこの目標を達成するカギとな
る年である。国有企業改革についての構想と方針・政策
はもう明確になっている。一群の企業は市場競争の中で
発展をとげ、大きく成長し、一群の企業はすでに苦境か
ら抜け出すか、または抜け出しつつあり、さらに実践の
中で多くの成功経験を積み上げた。各方面がともに努力
し、着実に仕事をすすめさえすれば、国有企業の改革と
発展という中央が提起した目標は達成できること、これ
に対しわれわれは自信満々である。現在最も重要なのは
、思想をいっそう統一して、断固として揺るぐことなく
党中央の確定した方針・政策を貫徹し、実施することで
ある。今年度、政府は特に次の数項目の仕事を立派にや
りとげなければならない。

  第一に、重複した建設をやめさせ、業種の調整と
再編の歩みを速める。今年度は、技術水準の向上や製品
のグレードアップに役立ち、さらに市場のニーズがある
少数のプロジェクトを除き、各級政府は工業建設プロジ
ェクトの審査・認可を取りやめ、銀行もこの種の建設プ
ロジェクトへの融資を取りやめなければならない。ひき
つづき紡績、石炭、冶金、石油化学、建材、機械・電子
、軽工業などの業種における過剰生産能力を圧縮しなけ
ればならず、技術的に立ち遅れ、資源を浪費し、製品の
質が劣悪で、また汚染がひどい小企業を断固として淘汰
すると同時に、独占を打ち破り、競争を奨励するという
原則にのっとって、連合、合併、再編を通して、技術水
準が高く、競争力のある企業グループをつくりあげる。
このようにして数年間頑張れば、優勝劣敗のメカニズム
を徐々に確立することができ、企業の発展のために良好
なマクロの環境と市場条件を作り出すことができる。

  第二に、ひきつづき国有企業の一時帰休者の基本
生活保障と再就職の仕事に力を入れる。これは企業改革
を深化させる重要な課題であり、社会の安定を保つ重要
な措置でもある。この仕事を立派におしすすめるための
カギは、資金を確保することである。企業と社会、国家
財政がそれぞれそ三分の一ずつ負担し合う方法をつづけ
て実行する。企業と社会が調達できない分については、
国家財政がそれを保障しなければならない。中央の企業
に対しては、中央財政がそれを負担し、地方の企業に対
しては、地方財政がそれを負担する。今年度、各地方の
財政はぜひとも予算の支出構造を調整し、この項目の資
金を優先的に、満額配分しなければならないが、財政的
にどうしても困難な省・自治区に対して、中央財政は移
転支出によりある程度の援助を与える。特に、さまざま
な形態の職業訓練を強化し、就職のルートを幅広く開拓
し、職員・労働者にその職業選択観を転換させるよう導
き、できる限り多くの一時帰休者の再就職を実現するよ
う努力しなければならない。一時帰休者が再就職したあ
とは、元の企業との労働関係を解除しなければならない
。三年たってもまだ再就職をしていない一時帰休者も、
元の企業との労働関係を解除して、社会保険機構に移さ
れて失業保険金を受け取る。二年間の失業保険受給後も
なお就職していない場合、民政部門に移され、都市部住
民の最低生活費を受け取る。こういう「三本の保障ライ
ン」は、当面の条件のもとにおける中国の特色をもつ社
会保障制度の重要な構成部分である。

  養老保険制度を充実させ、定年で企業を引退・退
職した人たちの養老保険年金の全額期限通りの支給を確
実に保障するとともに、支給が遅れている養老年金をで
きるだけ早く給付しなければならない。国際的にも通用
しているやり方を参照して、養老保険のカバーエリアを
拡大し、国有企業、都市部の集団企業、私営企業、外資
企業のすべてを養老保険に加入させなければならない。
保険料徴収率を引き上げるよう努力する必要がある。省
クラスの養老年金統一拠出制度を充実させ、養老年金の
管理を強める。

  第三、行政と企業の分離を推進し、監督・管理制
度を健全化し、企業の指導グループをしっかり形成し、
強化する。国務院各部門はすでにその傘下の企業との行
政的系列関係を廃止し、もう企業を直接管理しなくなっ
ており、今年は、地方政府も同様の原則に基づいて改革
を進めることとなる。同時に企業に対する国の監督・管
理を強化し、所有者の権益と国有資産の安全を守らなけ
ればならない。今年は重点的な国有企業に向けて監察特
派員を派遣することにひきつづき力を入れなければなら
ない。国有企業の改善をはかるには、企業の指導グルー
プの建設を強化することがカギとなる。政治的資質も能
力も備えているという原則をあくまで守り、政治的資質
が高く、経営管理の能力もある、公正で廉潔な優れた人
材を選んで企業の責任者にするべきである。誠心誠意労
働者階級に依拠し、職員・労働者に民主的監督の役割を
発揮させ、職員・労働者代表大会によって企業責任者を
評価する制度を守りとおす。企業の指導グループに対す
る考課を強化し、基準に達しないものについては、期限
を決めて選び直す。経営管理のまずさから大きな赤字を
出している企業の最高責任者に対しては、一年目はイェ
ローカードの警告をおこない、二年目には更迭する。汚
職・収賄に走り、腐敗・堕落したものについては、法に
よって処罰し、決して手を緩めてはならない。収益をあ
げ、社会的貢献度も大きい企業は表彰すべきである。

  国有企業をうまく運営するには、やはり企業内部
の改革と管理を十分重視しなければならない。社会主義
市場経済の要請にもとづいて市場を中心として経営メカ
ニズムの転換をはからなければならない。科学的な政策
決定の制度を実施し、現代的管理科学を取り入れ、企業
内部の労働規律を厳しくし、品質管理と財務、コスト管
理の強化に重点をおき、全国統一の会計制度と現代的企
業管理制度を確立しなければならない。同時に形式にと
らわれず、広く人材を登用し、技術開発を強化し、市場
の開拓に努め、企業の活力と競争力を全面的に高めなけ
ればならない。

  ひきつづき様々な形をとって大胆に国有小企業の
自由化、活性化をはかる。売却を国有小企業の改革の主
要な形態にしてはならず、売却を必要とする場合には国
の定めた規範・規則に基づいて行ない、名目上の売却を
装った実質的な贈与や、半分売却半分贈与、銀行に対す
る債務不履行や脱税、職員・労働者の再配置を回避する
などの間違ったやり方を断固としてやめさせる。貸付、
技術情報と研修・訓練などの面で市場の見通しのある中
・小企業、とくに技術集約型企業の発展に助成する。

  国有企業の改革をおしすすめると同時に、さまざ
まの形式の、都市・農村における集団経済を発展するよ
うに力を入れ、公有制の主体的地位をたえず強化する。
積極的な政策・措置を講じて、個人経営企業、私営企業
などの非公有制経済の健全な発展を奨励し、助成し、そ
れによって、住民の多様な需要を満たし、就業を増やし
、国民経済の発展を促進する重要な役割を十分に果たす

 五 真剣に金融分野の仕事をやりとげ、金融リスクを
   防止し、解消する

  わが国では金融業務が安定して運営され、金融改
革が重要な進展を見せている。アジア金融危機の影響が
深刻化し、世界金融市場が激動するなかで、わが国の経
済生活の深層部の矛盾が次第に表面化している状況のも
とで、金融の仕事をさらに改善することは、改革と発展
と安定の全局に対し非常に重要な意義を持っている。

  安定した健全な通貨政策を実施し、通貨供給量を
適切に増やし、金融調節の力を上手に使って、人民元の
為替レートの安定を維持してゆかなければならない。銀
行は商業貸付の原則を固く守り、貸付の質を保証し、金
融リスクを防止するばかりでなく、金融サービスの改善
に努め、サービスの分野を広げ、クレジットをテコとし
て活用し、内需の拡大と輸出の増加を促し、積極的に経
済成長をサポートしなければならない。

  一九九七年に中央が主催した全国金融会議の趣旨
と布石をさらに徹底して実施し、ひきつづき金融改革の
深化に努め、金融秩序を整備し、金融リスクを防止する
ことに努める。一つには、銀行、証券、保険、及び信託
業の分業による経営と管理の体制を真に充実させ、金融
の監督管理責任制を実施し、さまざまな金融機関に対す
る監督管理を確実に強化する。二つには、国有商業銀行
改革のテンポを速め、銀行の経営自主権を着実に実施し
、経済区画と業務量に応じた支店機構の設置、機構の撤
廃や併合、人員の削減、内部規制の強化を推し進める。
貸付金をその質にもとづいて五つのランクに分ける方法
を押し進め、金融資産管理会社を逐次設立することによ
って、銀行が既にかかえている不良債権の処理の責任を
取り、銀行の新規増加貸付金の質に対し厳格な責任制を
実施する。三つには、政策的銀行を上手に運営し、国の
産業政策を徹底して実施し、資金の使用効率を高める。
四つには、金融秩序を法律にもとづいて規範化し、それ
を保護する。ノンバンク金融機構と地方金融機構を整理
、整頓し、金融機関のリスクを解消、金融の安定を守る
。その他の商業銀行と都市・農村信用組合の改革の中で
の安定した発展を促進する。『証券法』を徹底してまじ
めに実施し、証券市場を規範化し発展させる。保険市場
を整備し、規範化して、保険業の健全な発展を促がす。
金融機関における法規・規律のさまざまな違反行為を厳
しく調査し、処罰し、金融犯罪を法律にもとづいて厳し
く処罰する。

 六 あらゆる方策を講じて輸出の拡大と外資の効果的利
   用をはかる

  ひきつづき対外開放の基本的な国策を貫き、国際
市場の開拓に努め、対外貿易と外資利用がいくらか伸び
るように努める。これは今年度の経済の持続的な伸びを
実現し、国際収支の均衡と人民元の為替レートの安定を
維持するうえで、非常に重要である。

  あらゆる方策を講じて輸出を拡大する。品質によ
って勝利を制し、市場多極化の戦略を積極的に実施し、
輸出信用、租税還付など国際的に通用するさまざまな政
策・手段を総合的に運用して輸出を促進し、外貨獲得を
増やす。機械・電子製品と高付加価値製品、良質ブラン
ド製品の輸出を重点として、輸出構造を調整し、新しい
市場を開拓する。一般の貿易をうまくすすめるよう力を
入れ、加工貿易に対する管理を充実させ、強化する。生
産企業の自主的輸出をより拡大し、企業の輸出増加の意
欲を引き出す。資金、技術、人材育成などの面から、条
件の備わった企業に国外の市場として潜在的な力のある
地域で加工貿易を発展させ、それによって国内の商品輸
出を促がすよう助成し、奨励すべきである。輸出企業に
対する考課の内容と方法を改善する。対外貿易企業は困
難を押して前進し、改革を深化させ、管理を改善し、経
済効率と競争力を高めなければならない。必要な輸入を
増やし、貿易の均衡を改善し、輸入を国内産業の調整と
グレードアップ、技術導入と結びつける。国際観光旅行
を発展させ、貿易外の外貨取得を増加させる。

  わが国の社会的にも政治的にも安定し、マクロ経
済の情勢も良好な強みを十分生かして、できるだけ多く
外資を導入し、特に著名な多国籍企業の投資を誘致し、
外資利用の質を高める。外資の投資方向を合理的なもの
にし、外資利用の構造と地域分布を最適化する。外商の
投資環境をさらに改善し、段取りを追って外商の投資分
野をひろげ、外資企業に対する管理を法律によって健全
化する。外債の窓口を一本化した管理を強化し、その規
模をコントロールし、その構成を最適化し、監査、点検
と事前の警告を強化し、外債の償還能力を高める。ひき
つづき経済特別区と上海浦東新区を立派に運営する。

  ひきつづき人民元の為替レートの安定を維持する
。外貨収支の管理を強化し、国際収支の均衡と外貨準備
高の安定を維持する。外貨決済・取引制度を厳しくし、
不法な外貨取引を禁止し、様々な外貨の詐取、国外への
外貨不法持ち出し、外貨の不正取引行為をきびしく取り
締まる。密輸取締まりの力を強化し、密輸取締まりの闘
いを徹底的、持続的にくりひろげる。

 七 科学・教育による国家振興の戦略と持続可能な発
   展戦略を実施する

  科学・教育による国家振興の戦略を実施すること
は、経済の振興と国の現代化実現の根本的大計であり、
当期政府のきわめて重要な任務でもある。

  当面、もっとも重要なのは、改革の推進に大きな
力を入れ、国の創造革新体系の建設を速め、科学技術と
経済との不整合を解決して、科学技術の成果の生産力へ
の転化と普及を推し進めることである。一つは、企業が
技術進歩の主体になるようにし、企業の技術開発と技術
革新の能力を高める。主要業種と重点企業の技術の発展
に対する指導を強化し、ハイテクによって在来の産業を
改造し、巨大な技術設備の国産化とハイテク産業化の進
捗を速め、電子情報産業などの新しい経済成長ポイント
を育て上げる。導入した技術に対する消化、吸収と革新
・向上を強化する。二つは、市場志向によって多種多様
な形の産・学・研究部門の結合を促がす。科学研究院・
研究所内部の改革を深化し、競争メカニズムを導入し、
科学研究機構と大学の科学技術力の企業への導入を促が
し、応用型の科学研究機構が企業と連合するかまたは直
接科学技術企業として運営し、それによって科学技術力
の殆どが企業や市場から遊離しているわが国の現状を改
める。三つは、新しい時代に合った産業技術政策の策定
と実施を急ぐ。力を集中して一群のカギとなる技術の難
関突破をはかる。工程化の研究を強め、科学技術成果の
産業化を促進する。技術集約型の中・小型企業の発展を
助成する。市場もあれば、収益もよい科学研究プロジェ
クトへの資金面でのサポートの度合を高める。知的所有
権に対する保護を強化し、健全化する。四つは、さらに
基礎研究を重視し強化する。力を集中して、重点的基礎
研究プロジェクトの実施に力を入れ、優位に立つ分野で
新しい進展を勝ち取ることに努め、科学技術発展の底力
を増強する。ひきつづき科学者、技術者の仕事と生活の
条件を改善し、科学者、技術者を育成、登用し、優れた
人材が頭角を現わせるメカニズムを確立し、充実させる

  科学・教育による国家振興にとって、基礎となる
のは教育である。ひきつづき教育の優先的発展を戦略的
地位に置かなければならない。今年は、全国の八〇%以
上の人口をカバーする地域で九年制義務教育を普及させ
、青・壮年の非識字者を三〇〇万人前後減らす。さまざ
まな形の職業教育と成人教育を積極的に発展させる。資
質を高める教育の推進に力を入れて、創造・革新精神と
実践能力を培うことに意を注ぎ、学生が徳育・智育・体
育・美意識等の面でも全面的に成長を遂げるようにする
。法律によって政府の教育への投入を増やし、教育面の
資源を十分に利用し、学校運営の効率を引き上げること
を重視する。教育事業の振興をはかるには、一つには、
改革の度合をさらに強めなければならない。ひきつづき
積極的に教育思想、教育体制、教育内容及び方法を改革
すること。共同設立・運営、調整、協力、合併の方針に
基づいて、政府の専業部門による学校設立・運営体制を
さらに改革し、中央と省の二つのレベルの管理と国のマ
クロ政策の指導の下に、省クラス政府の統一助成を主と
する大学教育の新体制への移行を速める。大学内部の管
理体制とその他の各種の学校管理体制の改革を深化させ
る。民間による学校設立・運営を発展させるメカニズム
を積極的に模索する。二つには、質をもっと重視しなけ
ればならない。各レベル各種の学校教育の質、とくに小
中学校の教育の質を全面的に高めること。教師の資格規
準を厳格に決め、教師陣の政治的資質と授業のレベルア
ップに努め、ひきつづき教師の仕事と生活のための条件
を改善する。三つには、さらに政治思想と品行、モラル
の教育をよりいっそう重視する。マルクス・レーニン主
義、毛沢東思想、とくにケ小平理論で学生を教育するこ
とを堅持し、学生に確固とした社会主義の理想と信念を
確立させ、新しい世代の人間としての全面的な資質を高
めるよう努めさせる。

  さらに一段と持続可能な発展戦略を実施する。人
民、とくに子々孫々後世の人たちに対して、大きな責任
を負うという精神で資源と生態環境を保護すべきである
。資源に対する計画と管理を強め、資源を浪費して発展
をめざす近視眼的行為を克服し、資源を合理的に利用し
、保護して、資源の総合的利用のレベルを確実に引き上
げる。全民族の環境保護意識を強め、ひきつづき環境保
護への投入を増やして、重点都市、地域、流域、海域に
対する汚染対策を強めなければならない。清潔制生産を
奨励し、規制基準を上回る汚染物質を排出する企業は期
限を定めて、整備すべきであり、基準に達しない場合は
、必ず閉鎖しなければならない。首都北京は、今年、大
気汚染対策を政府の特別重要な任務の一つとしており、
国務院の各関係部門は強力にサポートしなければならな
い。都市・農村の計画活動を強め、計画を厳格に実施し
、規定違反の行為を厳しく調査し処分する。人口増加を
抑制する政策を堅持し、人口の質を高めなければならな
い。人口と計画出産の目標管理責任体制を充実させ、農
村と流動人口の計画出産に重点的に力を入れる。末端部
における計画出産の仕事の具体的な困難と問題を確実に
解決し、責任の明確化、措置の着実な実行、資金の投入
を真に達成する。都市部の職員・労働者医療保険制度の
改革を徹底的に実行し、医療・衛生体制の改革のテンポ
を速め、団地コミュニティにおける医療・衛生サービス
を展開し、農村における初級レベルの医療・衛生・保健
の計画が基本的に目標に達するよう努め、被災地区の防
疫活動にさらに力を入れる。人口高齢化の趨勢を重視し
、高齢者のための仕事に真剣に取り組む。身体障害者の
ための事業に関心を寄せ、力を入れなければならない。
全国民の健康づくりの活動を広く繰り広げ、スポーツ競
技のレベルを高めるよう努力し、国民の栄養の水準と健
康状態を改善する。「中国'99昆明世界園芸博覧会」を立
派に主催する。

 「人民のため、社会主義のために奉仕する」方向を
堅持し、百花斉放、百家争鳴の方針を貫き通して、社会
主義文化の建設を促進する。文学・芸術を盛んにし、社
会科学の研究を重視し、報道・出版、ラジオ、映画、テ
レビ等の事業を発展させ、文物保護の仕事と公文書・資
料の保管活動を強化する。世論をあくまでも正しい方向
に導くよう努め、世論による監督を強めるべきである。
マスメディアの自律メカニズムを充実させる。文化に対
する管理体制の改革を深化させ、文化市場を整備・規範
化し、「ポルノ一掃と非合法出版物の取り締まり」の闘
いをひきつづき展開する。書籍・刊行物、録音・録画製
品の海賊版の取り締まりを強める。科学知識を普及し、
愚昧な現象をなくし、封建的迷信をまきちらす行為に反
対する。両方に取り組み、両方のいずれにも力をしっか
り入れる方針を守り抜き、社会主義精神文明の建設を大
いに強化する。社会全体で規律と法規を順守し、公共の
物を大切にし、マナーとエチケットを重んじ、人を助け
ることに喜びを見出すような公衆道徳を大いに提唱し、
青・少年に対する教育を強化し、全民族の思想、モラル
のレベルを向上させる。

 八 法律に基いて国を治めるという戦略を貫徹し、廉
   潔で、政務に励む、実務的で、効率のよい政府を
   つくり上げよう

  法律によって国を治めること、これこそ党が大衆
を指導して国を治める基本戦略である。政府は行政・立
法の仕事を強化し、法律の執行に対する監察を強化し、
法律に照らして行政を推し進めなければならない。今年
は次の三つの仕事に重点的に力を入れる必要がある。

  第一、法律に依拠して経済秩序を整備し、違法な
経済犯罪行為を厳しく取り締まり、法律の執行にもっと
力を入れ、法律があるのにそれに依拠せず、法律をきび
しく執行しないことを断固改め、法律に照らして経済犯
罪分子を思い切って懲罰する。財政・経済の規律を厳し
くし、会計検査・監督を強化し、社会の信用を守り、む
やみに二重帳簿を設けたり、偽の帳簿を造ったり、銀行
に対する債務逃れや債務不履行を厳しく取り調べ、処分
する。さまざまな形でむやみに料金を徴収したり、やた
らに資金を調達したり、むやみに分担金を割り当てたり
、やたらに罰金を科したりすることを徹底的に取り締ま
り、行政的負担金と罰金・没収による収入に対してそれ
ぞれに管理を行う。市場の監督・管理を強化し、市場の
秩序を整備し、ニセモノや粗悪品の製造、販売及びその
他の違法行為を厳しく処罰する。脱税、税金のごまかし
、税金逃れ、納税拒否等の犯罪行為を取り締まる。社会
の仲介機構を規範化し、発展させる。各法律、法規と行
政的規定はいったん公布したら、それを厳格に執行し、
地方と部門の保護主義に反対し、禁止事項を断固止めさ
せ、行政令がスムーズに実行されるようにしなければな
らない。

  第二、社会治安に対する綜合対策に力を入れ、社
会の安定を維持する。各級政府は安定を維持することを
最優先の位置におき、各関連部門もともに安定の維持に
力を入れ、安定を守る責任制を着実にとらなければなら
ない。ひきつづき「犯罪を厳しく取り締まる」闘いを徹
底的に進め、法律に依拠して公共の治安に危害をもたら
す暴力犯罪、マフイア的性格をもつ犯罪グループによる
犯罪、麻薬にからむ犯罪、及び窃盗や強盗、婦女子誘拐
などの刑事・犯罪活動を厳しく取り締まり、社会の治安
状況のよりいっそうの好転に努めなければならない。国
内外の敵対勢力による破壊活動を厳重に防ぎ、取り締ま
らなければならない。法律、経済、行政的手段を総合的
に運用し、思想・政治工作をきめ細かく掘り下げて行い
、新たな情勢の下での人民内部の矛盾を適切に処理し、
いちはやく矛盾を解消し、問題がまだ芽のうちに解決し
、決して単純で荒っぽいやり方で処理して矛盾を激化さ
せてはならず、専制的な手段をもって人民大衆に対処す
るようなことはなおさらしてはならない。社会各方面の
勢力に依拠し、安定を維持することに力を入れなければ
ならない。

  第三、行政の仕事に厳しく取り組み、廉潔で、政
務に励む、実務的で、効率のよい政府をつくり上げるこ
と。

  各級政府と各部門はさらに職能を転換し、仕事の
仕方を転換し、仕事のスタイルを転換し、仕事の効率を
高めなければならない。国務院を構成する人たちはひき
つづき「五つの要請」、「法三章」を厳しく執行しなけ
ればならない。地方の各級政府もこの精神にのっとって
仕事のルールを定め、それを大衆に向けて公布し、監督
を受けなければならない。国家公務員の一人一人はいず
れも自分が人民の公僕であることを銘記し、勤勉に仕事
をし、誠心誠意人民のために奉仕しなければならない。
敢然と原則を守り、恐れることなく邪悪な勢力にたちむ
かわなければならず、矛盾を回避してはならず、なりゆ
きにまかせたりするようなことはなおさらしてはならな
い。実践の中に深く入って、民情をつぶさに体得し、大
衆のために実際的な仕事をし、空談義やきまり文句をな
らべることを戒める。真実を求め実務に励み、水ましの
報告やホラ吹き、上級機関の目を眩まし大衆をあざむく
ようなことは戒めなければならない。おびただしい文書
や会議、煩わしい虚礼や決まりを確実に改め、形式主義
、官僚主義を克服し、実際問題の検討と解決に真にエネ
ルギーを注ぐ。学習を重んじ、政治を重んじ、正しい気
風を重んじる「三つの重んじる」の教育を真剣にくりひ
ろげる。ひきつづき国家公務員制度を充実させ、管理を
厳格にし、公務員の養成・トレーニングに力を入れ、公
務員の政治的資質と業務上の資質を向上させる。

  廉潔な政治の建設を強化し、腐敗を厳しく取締る
。廉潔な政治を打ち立てるための責任制を真剣に実行し
、腐敗に反対する闘争への取り組みをさらに強化して、
末梢的なことも、根本的なこともすべて解決し、総合的
に対処する。重大案件や重要案件を引き続き厳しく取り
調べて処理し、腐敗分子に厳しい打撃を加えて、これを
一掃しなければならない。廉潔で自らを律することにさ
らに力を入れ、各級の政府職員は必ず身をもって範を示
し、規律と法律を守り、廉潔にして公に仕え、指導幹部
が率先しなければならない。各部門と各業種における不
正な風潮を是正する仕事に鋭意とりくみ、大衆が関心を
寄せている最優先の問題を確実に解決すべきである。改
革を深め、制度を健全化して、監督制約のメカニズムを
整備し、問題の根源を探り、メカニズムと制度の両面か
ら腐敗を防止し、根治する。

  中央が確定した方針に従い、積極的かつ着実に地
方政府の機構改革を推し進める。各地方は中央が定めた
全般的な考え方にのっとって、地元の実情に照らしなが
ら具体的な配置とやり方を自ら決定する。省クラスの部
門構成の設置は国務院の部門構成と基本的に対応させな
ければならず、人員削減では原則的に半分に減らすこと
とし、一歩一歩いくつかの段階に分けて行うこと。省ク
ラスの政府機構の改革方案および市、(地区)、県と郷
・鎮の政府の人員削減の割合については、省、自治区、
直轄市が実状に基づいて検討した上で、中央に報告し審
査・認可後実施する。慎重を期して県クラスと郷・鎮の
政府の機構改革は来年に実行することにする。地方政府
の機構改革は丹念に組織し、綿密に手配し、きめ細かく
人員の再配置をし、思想的まとまりがなくならないよう
にし、秩序を乱さずに仕事を順調に進めなければならな
い。

  人民代表大会制度はわが国の根本的政治制度であ
り、各級政府は同じクラスの人民代表大会及び常務委員
会の監督を自覚をもって受け入れなければならない。ま
た、共産党の指導のもとでの多党の合作と政治協商の制
度はわが国において長期に存在し、発展していくもので
あり、各級政府はすすんで人民政治協商会議との連係を
強化し、民主党派、商工連合会、無党派の民主人士や人
民団体の意見を真剣に聴取しなければならない。十分に
民主を発揚し、社会の実情と民意を迅速に反映する仕組
みをたえず整備し、人民の意思と願いが政府活動の中に
本当に体現されるようにする。民主的な政策決定制度を
よりいっそう健全化させ、重大な政策決定、特に広範な
人民大衆の利益に直接にかかわる政策措置に対しては、
慎重でなければならず、適切な形で各方面の意見を広く
聴取しなければならない。末端における民主の建設を大
いに推し進め、企業における職員・労働者代表大会、都
市部住民委員会と農村村民委員会の役割を確実に発揮さ
せる。政務の公開を実施し、民主的管理と社会による監
督を強化し、政府に対する人民大衆の監督の役割を十分
に発揮させる。

  わが国は統一した多民族国家である。民族の団結
を強化し、祖国の統一を擁護し、ともに発展することを
促進することは全国各民族人民にとって根本的な利益で
ある。改革・開放いらい、民族地区の経済は急速な発展
をとげ、人民の生活も改善され、社会も全面的に進歩し
ており、全国の発展のために貢献してきた。民族区域自
治制度を堅持し、充実させ、民族自治区域の自治権と民
族平等の権利を保障しなければならない。少数民族幹部
の育成に力を入れる。少数民族と民族地区に対する国の
優遇政策を堅持し、民族地区への資金投下を増やし、そ
れぞれの対応諸分野に対する援助の仕事を強化し、民族
地区の経済と社会の発展を促す。平等で、団結し、互い
に助け合う社会主義的な民族関係を強化・発展させ、各
民族がともに繁栄し、進歩することを促進しなければな
らない。宗教政策を真剣に貫徹し、法律によって宗教事
務を管理し、宗教が社会主義社会に適応するよう積極的
に導く。華僑事務の仕事にいっそう力を入れ、祖国の改
革開放を促進し平和統一の大事業を実現させるうえで、
海外の華僑同胞の役割を発揮させていく。

  代表のみなさん 国の安全を守るためには、必ず
国防の現代化建設を強化しなければならない。積極的防
御の軍事戦略方針を貫徹し、中国の特色をもつ軍隊精鋭
化の道を歩まなければならず、質の面からの建設を強化
し、科学・技術によって軍事力を強化することを堅持し
、法律に依拠して軍を統轄し、重点兵器・装備を優先的
に発展させ、現代技術とりわけハイテク条件下における
軍隊の防衛戦闘能力を高めなければならない。軍用と民
用、平時と戦時を結びつける原則にしたがい、国防科学
・技術に対する研究と国防工業の改革、調整のテンポを
速め、軍需工業のハイテクノロジーと民需品技術の発展
を促進する。国防動員体制を充実させ、民兵、予備役部
隊の建設と改革を強化し、人民武装警察部隊の建設を強
化する。各級政府は国防教育を重視し、国防意識を強め
、国防事業に力を注ぎ、軍隊の建設をサポートし、あふ
れんばかりの熱意で退役・除隊軍人の再配置に力を入れ
なければならない。軍隊擁護・軍人遺家族優遇、政府擁
護・人民愛護と軍・民がともに精神文明と物質文明を築
き上げる活動を突っ込んでくり広げ、軍隊と政府の団結
、軍隊と人民の団結を打ち固める。

 九 祖国の平和統一を促進する大業のために努力しよう

  香港では祖国復帰以後、「一国二制度」の方針が
全面的に貫徹、実行されている。中央政府は厳格に香港
特別行政区基本法に基づいて事をはこび、香港特別行政
区の自治の範囲内の事務には干渉せず、香港特別行政区
においては「一国ニ制度」「香港人による香港統治」、
高度の自治を確実に保証し、広い範囲で称賛を得ている
。アジア金融危機いらい、香港特別行政区政府は冷静に
対処して、一連の効果的措置を取り、厳しい試練に耐え
抜き、香港社会を管理し、複雑な情勢を御する能力をは
っきりと示した。われわれは引き続き香港特別行政区が
基本法に基づいて行政に取り組むことを全力をあげてサ
ポートし、香港同胞とともに香港と大陸部との経済・貿
易、科学・技術、文化等各分野の協力を推し進め、香港
経済が一日も早く回復することを促し、香港の長期にわ
たる繁栄と安定を保たなければならない。

  今年の十二月二十日には、澳門(マカオ)が祖国
の懐の中にもどってくる。澳門特別行政区設置の準備作
業はいまや肝じんな段階に入っている。澳門特別行政区
第一期政府推薦委員会の創設作業が目下進行中である。
年内に、推薦委員会は澳門特別行政区の初代行政長官の
人選を選挙によって決め、中央人民政府に報告して任命
する。澳門特別行政区第一期政府は行政長官が澳門特別
行政区基本法の規定に基づいて、責任を持って組織する
ことになっている。香港の祖国復帰の成功経験があり、
広範な澳門同胞の共同の参与があるので、中国・ポルト
ガル双方が共に協力、努力することによって、澳門の平
穏な移行と政権のスムーズな引き継ぎは必ず達成できる
ことを、われわれは確信している。

  新しい年に、われわれは引き続き「平和統一、一
国二制度」の基本方針と江沢民主席がうち出した八項目
の主張を堅持し、台湾に対する諸活動を立派におしすす
める。われわれは台湾人民に望みを託し、台湾同胞と幅
広く団結し、かれらの声に耳を傾け、祖国の統一にとっ
てプラスとなる台湾同胞の合理的な主張を支持しなけれ
ばならない。両岸の人的往来と経済、文化など諸分野で
の交流と協力を大いに強化し、台湾同胞が投資をして、
両岸貿易を発展させることを奨励し、台湾同胞の正当な
権益を守り、両岸の直接の郵便物の往来、直接の通航、
通商の早期実現を促す。祖国の完全な統一を実現するこ
とは全中国人民の根本的な利益であり、国家主権と領土
の分割は許されない。われわれは「台湾独立」およびい
かなる形のものであれ「二つの中国」、「一つの中国、
一つの台湾」をでっちあげることに断固反対する。われ
われは台湾当局が情勢をはっきり見極め、できるだけ早
くわれわれと政治的話し合いをすすめ、一つの中国の原
則のもとで正式に両岸の敵対状態を終らせ、両岸関係を
さらに改善するために、実際的な努力をするよう呼びか
けるものである。

 十 国際情勢と外交活動について

  一九九八年においては、世界の多極化と経済のグ
ローバル化の趨勢がいっそう進み、国際関係とくに大国
間の関係が調整されつつある。国際情勢は全般的には緩
和に向っているものの、危機が頻繁に発生して、あちこ
ちで激動が見られ、天下は泰平とは言えない。覇権主義
と強権政治は依然として存在し、時にはきわ立った形で
現われている。アジア金融危機の影響は全世界に波及し
、世界経済は大きく揺さぶられている。経済の安全を維
持することは多くの国々とくに発展途上国にとって切迫
した課題となっている。

  変転きわまりない国際情勢に直面して、わが国は
独立自主の平和外交政策を堅持し、世界平和を擁護し、
ともに発展することを促進し、世界各国との友好協力関
係を強化し、国際的地位は一段と高まっている。わが国
と発展途上国との連帯と協力は引き続き強められ、国際
事務において互いに支持し合い、互いに呼応し合ってい
る。朝鮮、韓国と東南アジア諸国連盟(ASEAN)各国との
善隣友好関係がさらに強まっている。南アジアの大多数
の国との関係もさらに密接になっている。モンゴル及び
中央アジアの国々との協力も絶えず拡大している。中米
両国首脳が相互訪問を成功裏に行うことによって、中米
関係は新たな発展段階に入った。江沢民主席のロシア訪
問は大きな成果を収め、両国首脳は両国関係と一連の重
要な国際問題について広く共通の認識に達した。江沢民
主席は国家元首として初めて日本公式訪問を成功裏にお
こない、双方は歴史を戒めとし、未来に目を向ける精神
で、平和と発展をめざす友好協力パートナーシップを構
築することを明らかにした。中国とヨーロッパとの関係
も着実に発展しており、中国は欧州連合(EU)と初めて
指導者間の会談をおこない、中国と欧州連合とは二十一
世紀に向けた長期にわたる安定した建設的パートナーシ
ップを確立することを明らかにした。中国とその他の先
進国との協力と交流も絶えず拡大している。

  わが国はアジア太平洋経済協力会議(APEC)、ア
ジア・欧州首脳会議及びその他の多国間の分野の外交活
動に積極的に参加している。わが国は関係諸国と密接に
協力して、話し合いを通して平和的に紛争を解決すべき
であると主張し、武力に訴えることや武力によって威嚇
することに反対し、地域の安定を維持するために建設的
な役割を果した。

  中国政府は一貫して人権を促進し、守るよう努力
している。中国がうち出した完全な平等と相互尊重をふ
まえて対話をすすめ、人権などの問題を利用して他国の
内政に干渉することには反対するという主張は、国際的
にも広い範囲で賛同と呼応を得ている。

  人類はまもなく二十一世紀を迎える。中国政府は
引き続きケ小平の外交思想を貫徹し、独立自主と平和外
交の政策を終始一貫して遂行し、わが国の独立主権、領
土保全と民族の尊厳を断固擁護し、覇権主義に反対し、
世界平和を守る。われわれは断固として変わることなく
多くの発展途上国との連帯と協力を強化することを外交
活動の立脚点とする。平和共存五原則をふまえて、引き
続き周辺諸国との善隣友好関係を発展させる。平和共存
五原則をふまえて、引き続き先進諸国との関係を改善し
、発展させる。平等互恵の基礎の上に世界各国との経済
・貿易、科学・技術、文化およびその他の分野での交流
、協力を発展させる。積極的に国連の事務に参加し、積
極的で実務的な態度で多国間の協力に参加する。関係諸
国とともに金融リスクを防ぎ、解消し、アジアひいては
世界経済の安定成長を促進する。公正かつ合理的な国際
政治・経済新秩序の構築を促し、人類の平和と発展とい
う崇高な事業のためにしかるべき貢献をしたいと考えて
いる。

 代表のみなさん!

  世紀の変わり目の情勢を全般的に見ると、われわ
れは歴史的チャンスと新たな挑戦に直面しているのであ
る。ケ小平理論の偉大な旗じるしを高くかかげ、江沢民
同志を中核とする党中央の指導のもと、党の基本路線を
堅持し、全国各民族人民の英知と力に依拠し、精神を奮
い立たせ、鋭意改革に取り組み、チャンスをとらえ、団
結して奮闘し、今年の経済と社会発展の諸任務を全面的
に達成し、中国の特色をもつ社会主義の建設という偉大
な事業を勝利のうちに二十一世紀へと推し進めようでは
ないか。

  第九期人民大会ニ回会議秘書処