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EUが対抗措置をWTOに通告へ 鉄鋼輸入制限問題
欧州連合(EU)の欧州委員会は、米国の鉄鋼セーフガード(緊急輸入制限)に対する対抗措置として、約3億3000万ドル相当の報復関税の対象品目リストを加盟国に提示、8日までに15カ国の支持を取り付けた。これにより、欧州委は週明けにも世界貿易機関(WTO)に通告、6月17日までに対抗措置を発動するかどうか判断する方針だ。
ドイツから対抗措置を取ることへの慎重論が出ていたが、欧州委の説得で最終的には全加盟国が賛成に回った。EU関係筋によると、EUは日本製部品が使われているオートバイを報復関税リストから除外するなど日本政府の意向にも配慮しており、「EUは強気の姿勢で対米交渉に臨む」との見方が強まっている。
ただ、日本の対抗措置予定額が540万ドルと日欧間の差が大きい。このため米国は、日本の関心が強い適用除外品目をテコに日欧間の分断を狙ってくるものと見られ、日本の出方にEU側は神経をとがらせている。
米欧間の交渉は、5月初めにワシントンで行われた首脳会議でも前進がなかった。欧州委はその後、米ブッシュ政権が準備している新農業法案について「農業補助金を増やし、貿易をゆがめる」との批判声明を発表するなど、貿易紛争の火種はむしろ増えている。
ただ、あまりに強気の対応によって、米国との報復合戦を招けば、欧州産業界への影響が避けられないとの懸念はEU加盟国になお根強い。対抗措置の実施には、閣僚理事会の承認が必要なため、欧州委が土壇場で妥協に動く可能性も残っている。6月17日の決定期限まで、日米欧は三つどもえの「神経戦」が続くことになりそうだ。
「朝日新聞」2002年5月9日
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