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  更新時間 :2006年08月09日17:54 (北京時間) 文字

日本の宮本駐中国大使に聞く 人民日報単独取材


  
協力の基礎を強固にし、共通利益を拡大する


  3度目の北京駐在となる日本の宮本雄二・新駐中国大使は、7月に60歳を迎えたばかりという。宮本大使はこのほど、北京で本紙記者の単独インタビューに応じた。これは宮本大使の着任後、初めて応じた中国メディアのインタビューとなった。(人民日報記者・于青)

  宮本大使:子供の頃から「三国演義」や「水滸伝」を愛読し、今回も「論語」と「孟子」を持参した。1969年に外務省に入省して以来、長い間日中関係に携わってきた。中国語を学び、多くの中国の友人を得た。歴史が好きで、日本や中国の歴史だけでなく世界の歴史に関心があり学んできた。これまで中国だけではなく米国や英国、そしてミャンマーで勤務したが、最初に学んだのがそれぞれの国の歴史である。同時に世界は信じられない速さで変化している。急速に変わる世界を広い歴史的観点に立って眺めることを心がけている。今回は妻と共に中国各地を訪れ中国の歴史と文化、そして自然の景観を楽しみたいと思っている。また子供時代に習った書道を再び始め、上手になることを願っている。

  記者:中国の指導者は、一貫して中日関係を重視していることを強調しており、中日関係を改善・発展させるための提案、主張を何度も行ってきた。近年の中日関係について、日本の指導者及び政府がどのような主張、方針・政策を行っているか、大使より中国の読者に対し説明していただきたい。

  大使:我が国としても中国側の対日関係重視の姿勢を評価しており、これが実施されることを期待。日本側においても日中両国の安定した協力関係の強化が、二国間のみならず、地域・国際社会全体にとっても極めて重要であるとの認識に些かの動揺もない。日本側指導者はこの認識に立って日中関係を重視する旨を一貫して明らかにしている。2005年4月の日中首脳会談においても、小泉総理と胡錦濤国家主席との間で、この認識を改めて共有し、未来志向で幅広い分野における協力関係を推進していくことで一致した。また、本年5月及び7月に行われた日中外相会談でも、麻生外務大臣と李肇星外交部長は、日中関係を世界で最も重要な二国間関係の一つとして重視し、経済、科学技術、文化、青少年、政党、議会、安全保障等、あらゆる分野での交流を一層深めていくことで一致した。
 いずれにせよ、中国側とともに努力して、日中両国間で、両国関係の重要性という一致した認識をさらに具体化していきたい。

  記者:メディアの評価によれば、近年の中日関係は両国国交正常化以来最も冷え込んでいると言われる。大使は現在の中日関係をどのように評価しているか。

  大使:近年の日中政治関係において、難しい問題が生じたことは事実だが、日中関係は既に堅固な基礎を有しており、幅も深さもこの34年間で格段に広がり深まっていることを忘れてはならない。
 政治的には、1972年の日中共同声明、78年の日中平和友好条約、98年の日中共同宣言という3つの文書があり、両国間の基本的問題については、この3つの文書に記された原則に基づいて、処理されてきている。経済的に見れば、両国は高い相互補完性を有している。貿易額、対中投資、技術提携数など、あらゆる経済データーがそれを示している。例えば、2004年以降、香港を含めれば、中国は日本にとっての第一の貿易相手であり、日本も中国にとってEU25カ国、米国と並ぶ貿易相手である。中国に進出した日系企業は3万社以上あり、日系企業における中国国内の雇用創出数は920万人に達する。現在、両国間の人的往来は年間のべ400万人を超え、毎週500便以上の民間航空便が両国間を飛んでいる。文化的にも例えば儒教的な思考様式や古典など、相互理解を深めるための共通の財産は多数ある。世界で日常的に漢字を使っている中国以外の国は今や日本だけである。草の根レベルの交流の基礎も強固なものとなってきている。中国に長期滞在する日本人の数も10万人を超え、日中間の友好姉妹都市の数は300を超える。日本には10万人以上の中国人留学生、日本語学習者が学んでいる。更に重要なのは、こうした交流が急速なスピードで益々拡大していく見通しであることである。
 このように日中両国関係の基礎は十分に強固であり、新たな質的に異なる上位の段階に発展する過程において今日の情況が出現していると認識すべきである。
 両国関係は極めて密接であり、時には、個別の摩擦が生じることもあり得る。したがって、個別の問題が日中関係全体の発展の支障にならないようにしつつ、幅広い分野における具体的な協力の強化を通じて、日中間の共通利益を一つ一つ拡大していくことにより日中関係の基礎を強化していくべきである。日中両国で省エネ・フォーラムを開催したり、基金を設置して多数の中国の高校生を日本に招待し対日理解を深めてもらう等、既に日本政府の側においては、各分野の日中協力、日中交流を促進する措置を数多く打ち出している。

  記者:アメリカ側は、中国を利益関係者とみている。中日両国に共通の利益は存在していると思うか、相違はどこにあると思うか、また共通の利益や摩擦や相違を緩和し縮小させるのに役立つと思うか。

  大使:日本政府としては、中国が安定的に発展し、国際社会に建設的なパートナーとして参画することは、我が国のみならずアジア太平洋地域や世界の平和と繁栄のためにも重要との考えを一貫して有しており、それが改革開放政策に対するODAを通じた支援、中国のWTO加盟に対する早期かつ一貫した支持等のこれまでの具体的政策に表れている。
 中国の経済発展は日本経済の発展にとっても利益をもたらす。逆に、日本経済の回復は、中国経済の活力維持のためにも大きな意義を有する。小泉総理は、中国の経済発展は脅威ではなくチャンスである旨を繰り返し強調されており、中国の平和的発展はアジア地域全体の安定と繁栄にとっての貢献となりうる。更に、WTO等の場で各国の立場に配慮しつつ国際経済の共通のルールを構築していくことも、日中共通の利益であろう。今後も、中国が透明性を高めながら、国際社会とも協調的な形で安定的な発展を遂げることを希望している。
 日中両国に共通する利益は経済面のみではない。例えば、両国にとって北東アジア地域の安全は重大な問題であり、そのため例えば朝鮮半島の非核化、朝鮮半島の平和と安定は、大事な共通利益である。また、砂漠化や黄砂への対応、水質汚染等の環境問題、鳥インフルエンザ等の感染症への対応、麻薬取引等の国境を越える犯罪など、日中両国が協力して取り組むべき課題は多い。今後、こうした様々な分野で日中間の協力関係を拡大していくよう努めたい。
 勿論、日中両国間においては体制やイデオロギーの相違が存在する。また、東中国海の問題一つをとってみても、現時点における双方の立場には違いが存在する。そうであればこそ、緊密な意思疎通と相互の信頼関係を通じて摩擦を緩和し相違を小さくしていくことは、お互いの努力によって実現可能である。対話を通じて相違を乗り越え、共通利益を拡大していきたい。

  記者:日中友好7団体は4月6日に東京でレセプションを行い、大使の赴任に際し、送別会を行っている。その会場で、大使は日中関係の改善と発展の促進に力を尽くしたいと述べられたが、具体的な希望や計画についてお尋ねしたい。

  大使:日中協力関係を安定的に発展させるためにやるべきことは山ほどある。しかし最も重要なことは国民同士の相互理解の増進である。なぜなら国民こそがそれぞれの国の主人であるからである。日本と中国、日本人と中国人を良く知る者として言えば、「等身大」の相手を知れば、相互理解と相互信頼の芽が必ず出てくる。人の交流は重要であり、拡大していかなければならない。幸いお互いに観光で訪れる人の数は増え、留学生や企業で働く長期滞在者も増えている。3万社を越える日系企業の進出は草の根レベルでの人の交流を拡大し、友好都市間の交流も途絶えることなく拡大している。人の交流がさらに拡大する施策を講じたい。
 「等身大」の相手を知る上で書籍やマスコミ、とりわけテレビやネットの果たす役割は大きい。そういう番組がより多く製作され交流される必要がある。そのために尽力したい。
知的コミュニティの責任も大きい。これだけ相互依存を深めるグローバル・エコノミーの中で、日中両国がいかにしてグローバル・システムを強化し安定させ、この地域の平和と安定を確保するかについて具体的な構想を打ち出し実施していく必要がある。日中の知的交流の拡大を是非実施したい。



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