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  更新時間 :2008年03月17日16:25 (北京時間) 文字

60人、障害年金も受給 聴覚障害偽装、総額数億円か


  障害者手帳の不正取得疑惑をめぐり、札幌市の耳鼻科医(73)の診断で最重度の「聴覚障害2級」の手帳を得た人のうち、少なくとも約60人が障害年金も受給していたことが、取得者の申請手続きを代行した同市の社会保険労務士(66)の証言でわかった。年金加入者は、2級の手帳と同様の聴覚障害が認定された場合、年額で99万円以上が支給される。この社労士は「ブローカー」の依頼で99年から手帳や年金の手続きを請け負っていたといい、約60人に支払われた障害年金は計数億円に上るとみられる。

  社会保険庁は「これほど大規模な不正疑惑は聞いたことがない」として実態調査を始めた。

  障害年金の申請に当たっては、初診から1年6カ月後に再び診断を受け、医師から障害の程度の判断を仰ぐ必要がある。その後、国の認定医が判定することになっている。

  この社労士によると、札幌市の耳鼻科医の診断をもとに、約300人について最重度の聴覚障害2級の手帳の手続きを代行し、さらに約60人については障害年金の手続きも請け負い、認められたという。この医師は国の認定医ではないが、認定医の判定は書類を点検する程度で改めて診断しない場合が多いという。

  約60人のうち50人余りに支給されたのは国民年金加入者用の障害基礎年金で、支給額は1人年間99万100円。残りの約10人は厚生年金加入者用の障害厚生年金で、1人当たり年額百数十万円だったという。社労士は1人につき年金1カ月分を手数料として受け取っていた。

  社労士は「不正に加担したつもりは無かった。医師の診断が出ている以上、疑うことはできないと思った」と話す。

  社会保険庁年金保険課は「不適切な診断書をもとに障害年金が支給されていたとすれば、制度の大前提が崩れてしまう」と問題視しており、北海道社会保険事務局(札幌市)に調査を指示した。同事務局は「詳しいことは現段階でコメントできない」としている。

  ◇

  ■手帳返還者が449人に増える

  札幌市の耳鼻科医の診断によって障害者手帳を取得し、返還した人の数は17日午前現在で、449人に達したことが朝日新聞の調査でわかった。

  職員や専門医が面談した上で返還命令を出した人が304人、自主的に返還した人が145人。いずれも北海道の在住者で、自治体別では芦別市195人、赤平市84人、札幌市54人など。赤平市は82人、札幌市は48人が最重度の「聴覚障害2級」。芦別市の内訳は不明だが、2級がほとんどだという。

  道などによると、この医師の診断で手帳が交付された人は710人が確認されている。

  「asahi.com」 2008年03月17日

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