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【第31回】
中国・北京にある幼稚園「北京ふたば幼稚園」は、1階は日本人の園児が通い、完全に日本語で教育し、2階と3階は中国人の園児が通い、中国語で教育しているという、面白い幼稚園だ。今回、1階の日本人幼稚園の園長をしている宮下敏子先生にインタビューした。宮下先生によると、2階と3階の中国人幼稚園では小学校前の厳しい勉強があるのに対し、1階の日本人幼稚園では一切勉強を教えていないという。(北京ふたば幼稚園ウェブサイトhttp://beijingfutaba.com/index.htm)
創立は14年前らしいです。当時中国に日本の幼稚園がなかったので、親御さんたちの「日本の幼稚園を作って欲しい」という要望で作られました。最初は日本人の子どもだけの幼稚園だったんです。
その後2度引越しがあり、ここに移ってから、まず日本の子どもたちが入って、1年後に中国の子どもたちが入り、現在は中国と日本の子どもの幼稚園になりました。
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日本人がほとんどで、ほとんどが日本人小学校に行きます。お父さんの赴任でこちらに来ている子が多いですが、日本人と中国人の国際結婚のお子さんもいらっしゃいます。
でも最近は、両親とも中国人のお子さんもいます。日本の教育を受けさせたいという方がだんだん増えてきたんですよ。
実は、以前からそういう方はいらっしゃったんですが、日本人小学校には日本国籍が無いと入れないですし、うちは安くもないですし、お断りしていたんです。でも今年から受け入れ始めました。
中国の幼稚園はまるで予備校みたいですね。でも、親御さんの方が勉強させることを望んでいるんです。つまり、勉強をさせない幼稚園には親御さんが入れないということなんですよ。
日本の幼稚園でもお勉強をしている幼稚園もたくさんありますが、うちは勉強は一切しないです。なぜなら、今はそれは第一の目標じゃないから。幼児期はもっと全然違うことをきちんと学ぶことが大事なんです。小学校に上がったときに、先生の話を理解できる耳、心、頭。自分の気持ちを日本語で言える能力。そういうことのほうが必要なんです。
幼児期にたとえ勉強ができても、小学校に入って1、2年ですぐに成績は並んでしまいます。それよりも、幼児期に学べなかった別の部分が、もっと大きくなってから「負の部分」として出てきたらもっと大変ですよ。そこの部分を埋めてあげないと、先に進めないんです。
幼児の学び方というのは、机に座って「あいうえお」と書いたりする学び方ではありません。それ以前の、例えば「友達と仲良く遊ぶ」「自分の気持ちを言葉で伝える」「相手の気持ちを理解する」などの、「人との付き合い方」を学ばなくてはならない。そのためには、たくさん遊ばなければいけないんです。遊びながら訓練しているんです。遊んでいない子は能力も機能も身につかない。それから、子どもの遊びは全身を使わないと意味がないんです。テレビゲームは、大人の遊びなんです。
いいえ、まず幼稚園には、同年齢の子どもたちがいます。これが大事なんです。例えば、ある子が他の子のおもちゃを取ってしまったとき、おもちゃを取られた子が泣いて、「争い」が起こりますね。この「争い」がすごく大事。これでおもちゃを取った子は「あれ?これ自分のじゃないんだ」と気づけるんです。それから先生が一人一人に「(おもちゃを)貸して」や、「待っててね」などの言葉を何度も繰り返し教えるんです。
家族は「同年齢の集団」とは言えません。大人の集団の中だけで遊んでいる子どもはいつまでたっても気づけない。大人は「いいわよ」って、すぐにおもちゃをあげちゃうから。
うちの幼稚園の最終目的は一つだけです。「小学校に上がるまでに、同年齢の子どもたちと楽しく仲良く遊べるようになること。そのための体の機能と、友達とうまく付き合うための能力を身につけること」、これだけです。

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