日本語版   中国語版                                                  20030512日 1000

 

 

   国務院の発展研究センターが主催した「中国発展フォーラム」が北京で開催された。今年のテーマは「ゆとりある社会を目指す中国」。国務院の発展研究センターの王夢奎主任が基調報告を行い、各方面の研究結果を総合した都市と小都市の失業率について「登録されている失業者、一時帰休者、その他の失業者を含めて約8%〜10%に上る」と発表。「中国政府は、数多くの雇用促進政策を講じて効果を上げている」としながらも、「推計によると、2010年までの労働人口の増加率は年平均0.6%〜0.7%で、毎年1千万人が増加しており、就職に対する圧力が大きい」と指摘した。

武漢の労働市場で一時
帰休者らと歓談する
江沢民・前国家主席

一時帰休者が詰め掛けた
求人説明会

高級公衆トイレの経営権
を獲得した元一時帰休者

再就職を目指し
熱心にコンピューター
講習に取り組む人たち

 

 中国の大陸部が現時点で発表している失業率は事実上、都市部で登録されている失業率で、2002年末時点で4%に上る。失業率の定義は明確で、都市部で登録済みの失業者には(1)労働する能力がある(2)就業を希望している(3)規定に基づき失業登録を行っている――の3条件が求められている。現時点で発表されている都市部の失業率には、農村労働者と出稼ぎ労働者が含まれていない。しかし、労働市場は就職が最も難しい2つタイプの失業者層を反映している。ひとつは再就職が最も難しい失業者層で政府が提供する就業支援を必要としている。もうひとつは失業中に政府が提供する社会保障が必要な人たちで、登録失業者の約半数が失業保険を受給する必要がある。

 (1)求人数を上回る労働人口。中国の人口は世界一多く、1998年末現在の総人口は12億5千万人に上り、このうち7億1千万人が経済活動に従事している。今後の状況を見ると、今後の一定期間、毎年の増加労働人口は毎年約1千万人、農村から他地域へ流動する余剰労働人口は約3千万人に上り、このうちの相当部分が都市での就職を目指すと予想される。このほか、企業、事業団体の改革が進むにつれて、余剰人員の削減でリストラされた人々の再就職をめぐる競争が必然的に強まる    

 中国の失業保険制度は1986年に正式に導入された。国務院は1986年に「国営企業社員失業保険の暫定規定」を公布し、国営企業社員に対する失業保険制度の導入を明確に規定した。国有企業改革と労働制度改革の一環。
 国務院は、1993年4月に「国有企業社員失業保険の規定」を公布。中国の失業保険制度が正常に運営し始めた
 

失業の定義 失業者とは、労働年齢に達して労働する能力がありながら、現在は仕事がない人を指し、求職者を指す場合もある。失業者や新社会人で未就職の人たちを含む。
 

 

職を求める人たちで
ごったがえす人材市場

無料職業訓練の説明会に
殺到する一時帰休の女性労働者

 

 技能を持たない一時帰休者家庭のうち、平均月収300元以下の低所得層は3分の2、一時帰休が3年以上続いている人が43.1%を占めており、家庭の貯蓄をほぼ使い果しているのが現状となっている。国家統計局のデータによると、大陸部の都市住民1人当たりの国内総生産(GDP)は、1992年の235ドルから現在の900ドル余りに増加。同時に、社会的支援を受けている人の割合も1992年の0.6%から現在の5%に増加している。これは、改革開放後、中国の大陸部は社会と経済の発展で大きな成果を上げたものの、低収入者層が増加傾向にあることを示している。

 再就職プロジェクトは、政府、企業、労働者、社会各方面が積極性を発揮し、支援政策、就業サービスなどの手段を総合的に運用、企業や自営を望む個人、社会の配置など多くのルートを活用し、一時帰休者の再就職を支援する狙いで、第一段階が1993年〜1997年にかけて実施された。この段階では、効果的な就業サービスをタイムリーに提供し、労働サービス企業を設立して組織的な生産活動を展開。また、政府による支援・奨励のもとで自営を目指す個人を就業に結びつける施策を行い、長期失業者と国有企業の余剰人員の再就職をサポートした。第二段階は1998年5月から現在まで実施されている。主に再就職サービスセンターの設立を通じ、資金調達、再就職優遇政策などの一連の政策を制定、国有企業の一時帰休者の基本的な生活を保障、再就職促進に向けて積極的に取り組んでいる。

 

  「再就職優遇証」(グリーンカード)は、一時帰休者が再就職支援政策のサポートを受けるための証明となる。「グリーンカード」の所持者は、次の点で優遇される。(1)個人経営に従事者は、工商登録手続きが無料となり、営業税、都市保護建設税、附加教育費、所得税など10種類の費用について3年間の減免措置が受けられる(2)仲介機関の各種検査、評価の依頼や、国定価格または国の価格指導に基づく仲介サービスを受ける場合、費用の支払い額は最低基準額となる(3)「4050人員」(女性40歳以上、男性50歳以上の一時帰休者のこと)で個人経営に従事する者は、再就職資金から最長5年間にわたり社会保険補助が支給される(4)自営と起業を行う者は、関係規定に基づき小額のローンを申請できる。関係優遇政策は2005年末まで暫定的に施行される。

2001年末現在のデータによると、全国の労働サービス企業は計6万7662社(前年比13.8%減)。新たに設立された企業は3353社(同16.3%減)。新規採用人数は36万2446人(同21.%減)。従業員数は438万6071人(同10%減)。税金の納入額は101億元(同10.1%増)。労働者の平均年収は 6381元(同38.9%増)。企業1社当たりの新規採用人数は8.2%減少、納税額は27.8%増、利潤は 29.7%増だった。
 地域別に見ると、2001年に新設された労働サービス企業数の上位10省(直轄市・自治区)は、天津、山東、江蘇、広西、北京、浙江、河北、遼寧、河南、上海。新規採用人数の上位15位省(直轄市・自治区)は江蘇、山東、甘粛、陝西、河南、浙江、北京、湖南、河北、四川、天津、重慶、黒竜江、遼寧、内モンゴルなど。
 労働サービス企業は2001年、平均納税額と利潤額、総資産額ならびに平均従業員数が増加した。これは、激化する市場競争の中で、労働サービス企業の淘汰が進んでいることを示している。多くの労働サービス企業はいま、構造調整と企業改革という大きなうねりの中で徐々に市場に適応し、自らが生存、発展する地位を築いたといえる。

 

 

 

1999年6月。クリントン米大統領(当時)が西安を訪問した際、侯暁軍さんは地元の元一時帰休者の実業家の代表として歓迎セレモニーに出席した。当時、随行米国人記者の「あなたが一時帰休して実業家になったのは、強制されたのか、自分で望んだのか」との質問に対し、侯さんは「国家の経済調整が必要だったので従った」と答えた。しかし今回の記者の取材で候さんは「実は強制された」と笑みを見せて認めた

 

中国の労働と社会保障状況

北京市民、就業と失業問題に高い関心  統計局調べ

失業率の上昇は続くか

国内失業率、過去5年間で最高レベルに

一時帰休者の再雇用促進優遇政策が実施段階に

一時帰休者に対する再就職援助行動計画の実施

「一時帰休者は累計2600万人」労働・社会保障部

就職の拡大が政府の長期的な戦略目標に

温家宝総理が憂慮するデータ 中国の問題点

失業者向け貸付け制度がスタート

中国での就業ルート、一層拡大

女性の就業状況に三大変化

 

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