日本語版   中国語版       2003721日 1600
 

  結婚して1年半が経過した。一人っ子同士の夫婦である張さんとその夫は今でも炊事が面倒で、よく外食したりレストランに行ったり、あるいは実家で食事にありついたりする。彼らにしてみれば、炊事はたまにする「ままごと」のようなものだ。

 中国では今後、一人っ子の家庭がどんどん増えるが、かつての「皇帝」達が自分達の婚礼を終え、やがて気付くのは、家庭が決して楽園ではなく、面倒な事柄が山積する場所であるという事実だ。

 中国聯通天津分公司に勤める張さんは、「結婚は両親の束縛から逃れることだと考えていたが、同時に多くの仕事を背負うことでもあった」と話す。

 例えば、普通の家事にしても二人とも最初はどう手を付けてよいものか分からず、仕方なく両親に教えを乞うこともしばしば。彼女は家をきれいに片づけると、家がどうにも飾り物のようで、プライベートな空間のように感じられないのだった。彼女は家を「巣」にしたいと願っている。

 家事のことで夫婦はよくけんかをする。袁副教授も「家事をできないことが一人っ子夫婦の家庭不和の重大な要素になっている」と指摘する。

 関係部門が一人っ子同士の新婚夫婦100組を対象に行った調査によると、20%がパートの家政婦を雇い、80%が実家で食事をさせてもらい、30%が汚れた衣服を実家に持っていき洗ってもらっているほか、50%が家事の問題でけんかしたことがあると答えた。また、けんかをして、意見がどうにも一致しないとき、往々にして相手の立場になって考えられないようだ。

 袁副教授は「一人っ子は性格がはっきりしていて、わがままで、他人に思いやったり、寛容になることができない。あまりに自己中心的で、家庭に求められる求心力とは反対の方向に向かう」と解説する。

 天津社会科学院の潘允康・社会学研究所長は、「家庭が緩やかな連合体に変わりつつある。この連合体は大家族的な礼儀や道徳の束縛を受けず、複雑な血縁関係とも無縁で、組織と瓦解も自由だ」とユニークに分析する。

 中国では伝統的に家庭こそ最も単純ながら、最も重要な対外的存在形式で、みだりにそこを離れることは許されなかった。社会や職場が個人に対し道徳的、行政的圧力をかけ、不幸な婚姻でも継続を迫るのが普通だった。家庭は一種の束縛でもあった。

 現在、若い夫婦は結婚の本質を重視するようになっている。同時に、幸福でない夫婦は自由に家という殻から抜け出すことができる。近年、中国では離婚率が上昇傾向を示している。北方の沿海都市天津では、民政部門が昨年6千件余りの離婚案件を処理した。そのうち、婚姻期間が1年に満たないケースが10%を超え、その当事者の多くは一人っ子の新婚夫婦だった。天津市民政局によれば、ある夫婦は結婚1カ月で結婚証が離婚証に化けたという。

 「理想的なのは温かくて自由な家庭。でも不安定なもののはずでもない」少なからぬ一人っ子が結婚や家庭というものに対し、困惑や矛盾を抱えている。緩やかな連合体としての自由な家庭と、伝統的家庭における安穏や血縁間での真情は同時には得られないものなのだろうか。

 

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