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  2003年8月5日 16:00

 著名な映画脚本家で全国政治協商会議委員の王興東氏は621日、インタビューに答え、映画の年齢指定制度(鑑賞基準として年齢制限などを設けるもの)が中国にも導入される方向が決まったと明らかにした。年齢指定制度は、今年3月の全国政治協商会議で同氏が提案し、国家映画主管部門も賛同。国家広播電影電視総局(広電総局)から同氏に対し「中国の国情に合った映画年齢指定制度を迅速に制定する」との連絡があったという。


香港版映画「人蛇大戦」のポスター

映画『チョウユウの汽車』のポスター

年齢指定制度がないため、映画でおびえる青少年も

2000年、天津の16歳の少女、李潔さんはホラー映画「人蛇大戦」を観た後、悪夢にさいなまれて高熱を出し、病院に送られた。北京では、外国映画を見た小学生が恐怖のあまり、その場でおもらし。学年でアメリカ映画「ボーン・コレクター」を見に行った13歳の女子中学生は、鑑賞後に食欲をなくし、安眠できず、夜中突然目を覚まして「人殺し!」と叫んでしまった。この女子中学生によると、映画館でも驚いて泣き続けるクラスメートや、嘔吐の止まらない人までいたという。

ある教授は、こんな体験談を話してくれた。「中国映画の『チョウユウの汽車』(周漁的火車)を見に行ったら、年齢指定制度がないので映画の内容が前もってわからず、多くの親が子供連れで見に来ていました。私の前の席の父親は、ラブシーンになるたび、子供に目をつぶらせていた。123歳のその男の子は時々『パパ、目あけていい?』と聞く。結局、56回はその質問をしていましたよ」

アメリカ映画「プライベート・ライアン」が上映されると、関係管理部門には「残酷なシーンに、子供がひどく驚いてしまった」という母親からの投書が寄せられた。アメリカでこれがR指定だとわかり、中国でも年齢指定制度があり、相応の年齢指定がされていたのなら、母親が子連れで見に行くこともなかっただろう。

映画年齢指定制度が施行されていないため、このような騒ぎには枚挙にいとまがない。年齢指定の表示がないと、保護者も子供も、子供の鑑賞に適した映画かどうかわからないのだ。  


年齢指定制度に支持集まる 近く法的整備も

今年3月の全国政治協商会議で、王興東氏は「『児童にふさわしくない映画』の審査基準設定と、映画年齢指定制度の施行」に関する提案をし、関係各方面に迅速に映画年齢指定制度の法的整備を行うよう呼びかけた。これは社会の広範な関心を呼び、映画主管部門からも注目された。早くも326日には、国家電影局の童剛局長が「映画年齢指定制度の制定・実施を積極的に進める」と表明した。

広電総局は先日、王委員の提案に対して正式に書面で回答。「映画年齢指定制度・審査の具体的方法の確立と、年齢指定後の管理方法などの問題に関し現在、電影局が広範な調査・研究と討議をしており、中華全国婦女連合会、中国共産主義青年団中央委員会、中国映画家協会などからも意見を募り、中国の国情に合い、確実かつ実行可能な制度を迅速に制定する」としている。  


年齢指定制度は国際的慣行

WTO加盟に伴い、外国映画が更に多く入って来ると共に、国産映画も更に多く輸出されることになる。だが、中国に映画の年齢指定制度がなく、国際的基準に沿った措置がされていないため、多くの外国映画が輸入されず、国産映画も輸出されずに終わってしまう。「映画に年齢指定制度がされていないので、どの映画館で上映すればいい作品なのかわからない、と言われる。つまり、我が国は迅速に映画の年齢指定制度を確立し、国際的基準に沿わなければならないということだ」

西側先進諸国では、50年前に映画年齢指定制度が開始されている。これは、映画業界の発展に重要な役割を果たした。先進諸国の映画に見られる内容の豊富さと映画市場の成熟は、年齢指定制度を早期に実施したことと大いに関係がある。

シナリオ作成にも法的根拠を

「映画年齢指定制度を制定することは、観客を尊重し、市場に適応すること」と、王氏は言う。映画市場はどんどん細分化され、観客層も限定されて来る。大人と子供が同じ映画を見るというのは、おかしい。映画は、よりターゲットを明確にしなければならない。「映画の年齢指定制度ができれば、それぞれの観客層に応じた内容とレイティングの映画が作れる。これは、成人・未成年双方の観客に対し、責任が持てるということだ」

王氏の映画年齢指定制度の提案は、大多数の映画関係者と観衆の賛同を得ている。ある有力ウェブサイトの調査では、90%以上のネット・ユーザーが、映画レイティング制度に賛意を表している。未成年者の権利保護を専門に研究している、中国政法大学の皮芸軍教授も、映画年齢指定制度の提案を高く評価。映画年齢指定制度は、映画制作者にとっても切実な必要性を持つ。張芸謀、黄建中、馮小剛など、映画界の各著名人も、この提案に相次いで支持を表明した。彼らは、映画年齢指定制度を確立して初めて、映画制作者の自由な製作権の保障が実現すると考えている。

「芸術創作活動には、法的根拠が必要。芸術家の自由な創作権は、法律によって保障されなければならない。年齢指定制度がないため、芸術家は創作において客観的・明確な基準が得られず、何が表現してよく、何がいけないのかを知る術がない。出来上がった後に、わけもわからぬまま封印されてしまう映画もある。創作権に確かな保障がない」と、王氏は言う。  

映画「ボーン・コレクター」のポスター

映画「プライベート・
ライアン」のポスター

映画『法官媽媽』
のポスター

公開が禁止された映画
「大鴻米店」のポスター


決して、ポルノ・バイオレンスへのゴーサインではない

ネット上で「映画の年齢指定制度登場間近 『三級片』が合法上映へ」との情報が流れたことについて、王氏は「中国青年報」に対し「年齢指定制度と『三級片』の合法上映とは無関係。無責任な誇張だ。このような、事実に反する興味本位の考え方には反対だ」と話した。

王氏は「映画『法官媽媽』の脚本を書いていた時、少年犯管教所(現在の『未成年犯管教所』)でアンケート調査を行ったことがある。驚いたのは、62%の少年がポルノ・バイオレンス映画を見たことがあるということ。去年の金鶏百花映画祭では、年齢指定がされていなかったために、多くの小学生が集団で台湾映画『二月四日』を見に来ていた。あんなに同性愛と乱倫で溢れた内容だとは知らず、大騒ぎになっていた」。こうした問題を解決するための、科学的な方法が年齢指定制度だ。事実、多くの国が映画年齢指定制度を採用している理由は、未成年者保護のためだ。

王氏は「年齢指定の基準は、法律専門家、映画管理の専門家、映画制作者などに共同で研究してもらいたい。我が国の映画年齢指定制度は、決して猥褻な映画にゴーサインを出すものではない」と述べた。

電影局:すでに映画年齢指定制度の研究を開始

71日、各メディアとの会見の席で電影局の呉克副局長は、全国から無作為に2060人の映画観客を選んで調査を行い、観客の声を政府部門の映画年齢指定制度と有料映画チャンネル開設における重要参考意見とするとした。これは、建国以来最大規模の映画関連の調査となる。

 呉局長は全国の各メディアに対し「映画の年齢指定制度が予定段階から央視ー索福媒介研究公司(CSM)に調査を委託したのは、観客の映画年齢指定制度に対する考えを理解するため。その支持があれば、関係部門は制度確立に向けて迅速に動く」とした。また「今回の映画調査は、観客に発言権を持ってもらい、市場という角度から中国映画の質を改善させるものだ」とも述べた。
 
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