日本語版   中国語版       200309月11日 1600
 

 経済の急成長や改革開放政策の影響を受けて、教育現場も大きく変わった。生徒だけではなく、教師たちも時代の変化にとまどっている。中国の教育はどこに行こうとしているのか。

 9月10日は教師節に当たる。人口問題、地域格差、法律面での矛盾、教育の質や教師の労働条件−−さまざまな問題を抱える中国の教育を考える。

 

 1932年、国民党政府が6月6日を教師節(先生の日)と定めたが、新中国建国後はメーデーと同じ5月1日に移行した。しかし、5月1日の教師節には教師独自のイベントは行われず、特色もなかった。その後、9月10日を教師節に定めたのは全国の小学校、中学校、高校、大学で新学期が始まり、校内の雰囲気が一新されることを考慮してのことだ。新入生が入学する時期に教師を尊び教育を重視する雰囲気を作ることは、教師

スーツ姿で出勤する広州の教師

はきちんと教え学生はしっかり学ぶという理想的な環境を築く上で有効である。

 1984年12月15日、北京師範大学の鐘敬文、啓功、王梓クン、陶大縺A朱智賢、黄済、趙フ寰ら各氏が連名で教師節の制定を正式に提起し、1985年1月21日の第6回全国人民代表大会常任委員会第9次会議で議案は通過し、毎年9月10日が教師節となった。1985年9月10日、再開後初の教師節を迎え、その後は毎年9月10日が先生の日となっている。


 新中国建国以来50年余りで教師の数は順調に増加し、教育事業改革と発展の基本需要を満たしている。中国の教師の数は、1949年には、小学校でわずか84.92万人、中・高校で6.66万人、大学では1.6万人だったが、1978年には小学校522.55万人、中・高校318.2万人、大学20.63万人、さらに1998年には小学校581.94万人、中・高校369.71万人、大学40.73万人と順調に増加している。

学生を指導する
チベット医学院の桑旦副教授

 教師の質も高まり、人数も増加し続け中国の教育界は現在、1000万人近い教師陣を抱えている。この教師陣が世界でも最大規模の教育事業の支えとなり、中国の建設と発展に向けた人材教育が絶えず行われているのだ。


 教師の全体的な素質を高めるために、国家や各地域で多くの小中高校の教師の非学歴研修が積極的に行われている。教師資格条件の移行が順調に終了し、教師資格制度および教師陣を構成する上での正規化、法制化、専門化を全面的に実施するための基礎が固められた。学歴基準を満たす教師の比率は1995年には小学校88.9%、中学校69.1%、高校55.2%だったが、2000年には小学校96.9%、中学校87.1%、高校68.4%に上昇した。また、小学校教師では短大卒以上が20.0%、中学校の教師では大卒以上が14.2%、大学教師では大学院終了以上が31.3%だった。


 職務構造をみると、高級教師の職務に就いている教師の比率は、1995年には高校で15.73%、中学校で2.02%、小学校で0.065%だったが、2000年には高校16.27%、中学校3.27%、小学校0.12%となっている。一般の大学レベルの教育機関では、1995年の時点で教授が7.8%、副教授が26.6%だったが、2000年には教授9.4%、副教授30.0%に増加している。教師陣の若返りも進み、中年、青年層が教師の主力となっている。45歳以下の教師の比率は1995年には一般の大学レベルの教育機関で68.8%、高校で75.2%、中学で82.7%、小学校で76.7%だったが、2000年末には、大学等78.4%、高校84.7%、中学85.9%、小学校75.2%となった。45歳以下で高級教師の職務に就いている教師の割合は、1995年には高校で9.6%、中学で8.6%、小学校で24.8%だったが、2000年には高校37.1%、中学24.6%、小学校29.5%に

北京の幼稚園教師が
天安門前で芸術体操を披露

上昇した。また、45歳以下の大学教授の比率は、1995年の6.2%から26.3%に上昇した。35歳以下の助教授の比率は1995年の7.3%から10.3%に上昇した。


 1978年の小中高の教師の平均年収は559元だったが、2000年には8274元に増加した。大学の教員の待遇も同様に大幅に改善され、2000年には平均年収は1万4198元に達した。ここ数年で、教員用住宅の不足も解消され、1998年の全国都市教職員の平均居住面積は8.74平方メートルだったが、2000年には10.81平方メートルとなった。一人あたりの平均住宅面積では、都市の教師家庭が一般の都市住民を上回っている。また、現在、大部分の省、自治区、直轄市で教師の公費医療は現地の公務員と同等の扱いとなっている。


 1986年より、義務教育法、教育法、職業教育法、高等教育法などの法律が相次いで公布された。これらの法律では、教師の地位、役割、権利、義務などが規定されている。1993年12月、全国人民代表大会で教師法が公布され、初めて教師の権利、義務、資格、任用、養成、訓練、審査、待遇、奨励など事項が全面的に法的に規定された。教師法では教師の思想政治教育と業務研修を強化し、教師の勤務条件と生活条件を改善し、教師の合法的

体育教師の張健さんが
イギリス海峡横断に成功

な権益を保障し、教師の社会的地位を高めるため、適切な処置を採るよう各自治体に求めている。全社会が教師を尊重するために、教師の合法的な権益を法律的に保障したのだ。

 1995年12月、国務院は教師資格条例を公布し、教師資格の条件、資格試験、資格認定などについて具体的に規定した。同年、国家教育委員会(現在の教育部)が教師法の授権に基づき、教師資格認定の移行弁法を公布した。2000年9月、教育部は教師資格条例の実施弁法を公布した。


 中国の学校運営は政府が主体となり、社会の各界が協力して行う体制を採っている。現段階では、基礎教育は各自治体、大学教育は国家と省級自治区が主体となっている、社会の各界は学校運営に広範に参与している。職業教育と成人教育は政府の全面的な計画管理の下、業界、企業、事業単位など社会各界の協力を得て共同で運営されている。

 中国教育部は中国の教育事業を司る最高行政機関であり、国家が制定した関係する法律、法規、方針、政策の貫徹に責任を持ち、教育事業の具体政策を制定し、教育事業全体の発展計画を定め、全国各部門の教育関連事業と協調し、関係機関と指導教育体制の改革を統一する。

 1978年以来、中国では「中華人民共和国学位条例」「中華人民共和国義務教育法」「中華人民共和国教師法」「中華人民共和国未成年保護法」「中華人民共和国教育法」「教師資格条例」「中華人民共和国高等教育法」等の法律と10数項目の教育行政法規を相次いで制定された。教育部の職権下に公布された200余の教育行政規則はさまざまな教育発展の促進にとって有益である。

 教育費用は、国家財政支出を主体としさまざまなルートから調達する体制となっている。1978年以来、教育費用は年を追うごとに増加している。1998年の中国の教育事業への投資額は2949.06億元に達した。うち、2032.45億元は政府の投資で、1565.59億元は国家予算だった。


 中国の教育体制は基礎教育、中等職業技術教育、普通高等教育、成人教育の4段階で構成されている。基礎教育は一般の初等、中等教育を指す。初等教育の小学校は6年制、中等教育は中学と高校から成り、通常はそれぞれ3年ずつである。少数だが小学校と中学校で一貫教育を行う9年生の学校もある。

 中等職業技術教育は主に普通中等専業学校、技工学校、職業中学教育、その他さまざまな短期の職業技術訓練が該当する。

 普通高等教育は短大、大学、大学院など高等教育を指す。このうち短大は2-3年制、大学は通常4年制だが医学部は5年制、工学部系でも5年制を実施している学校がある。大学院修士は2-3年制、博士課程は3年。

 成人教育は成人を対象にした各種学校教育や識字率を高めるための教育、およびその他の形式の教育を指す。


 中国は人口が多く、地域経済、文化の発展が極めて不均衡であり、全体的な教育水準は遅れていると言わざるを得ない。中学、高校、大学への進学率は教育発展水準の重要な指標である。1995年に全国の人口の1%を対象に行ったサンプリング調査によると、人口10万人に対する各種教育の水準別人口は、短大以上が2065人、高校が8282人、中学が2万7283人だった。中国の教育事業が国家経済と社会の発展需要に応え、青年の高校や大学での教育に対する希望を十分に受け入れるにはまだ道のりは遠い。

 1993年に中国政府は「中国教育改革と発展概要」を公布し、20世紀末の中国の教育発展の総目標を提起した。具体的には、2000年までに、義務教育の9年制を全国に普及させ、青年、中年の非識字率を0%に近づけ、大学100校程度と重点学科の新設を重点的に行う(211工程)など。壮大な教育発展計画の中で、職業技術教育と成人教育は今後重視され、飛躍的に発展することが期待できる。

 
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