日本語版   中国語版       200312月16日 1600
 

  「フォーブス2003年中国大陸富豪ランキング」が10月30日北京で公表された。トップは網易(NETEASE)創設者で、同社の株式58.5%(時価76億人民元相当)を保有する丁磊氏。2位以下は、栄智健、許栄茂、魯冠球、劉永好、陳天橋、劉永行、葉立培、郭広昌、陳麗華の各氏が続いた。ランキングからは、1970年代生まれの富豪グループが「神舟5号のようなスピード」で誕生しつつあることがはっきりと見てとれる。

 

フォーブス2003年中国大陸富豪ランキング(トップ10)

1.丁 磊(32歳) 2.栄智健(61歳) 3.許栄茂(53歳) 4.魯冠球(58歳) 5.劉永好(52歳)

6.陳天橋(30歳) 7.劉永行(55歳) 8.葉立培(59歳) 9.郭広昌(36歳) 10.陳麗華(62歳)

 年に達したばかりの栄智建氏が片道ビザと10万香港ドルを手に単身香港に渡ったのは20年以上前。このころ丁磊、陳天橋の両氏はようやくヨチヨチ歩きを覚えたばかりだった。

 栄氏は36歳で電子製品工場を創設。それから10年も経たないうちに資産は当初の10万香港ドルから43億香港ドルにまで膨れ上がった。1986年に中信泰富集団に参画。98年から名実ともに中信香港公司のトップに立ち、2002年には『フォーブス』が中国大陸富豪ランキングの1位に選出。20年以上をかけて自らの勤勉な仕事ぶりと鋭いビジネスセンスで、実業家から大資本家に変身した。時を同じくして、栄氏を目標としてきた丁磊、陳天橋の両氏は30歳ほどで自らの巨大企業帝国をつくり上げた。

 栄氏が20年かかったことを丁、陳両氏は5年足らずで達成した。

フォーブス2003年中国大陸富豪ランキング
No. 氏名 資産
(億ドル)
1 丁 磊 10.76
2 栄智健 9.34
3 許栄茂 8.00
4 魯冠球 6.87
5 劉永好 5.50
6 陳天橋 4.90
7 劉永行 4.80
8 葉立培 4.21
9 郭広昌 3.74
10 陳麗華 3.61

 『フォーブス』などのランキング選出の目的が多少なりとも商業的色彩を帯びているとすれば、『財経』最新号が掲載した「中国の未来の経済リーダー」は、より大きな責任感に根ざしたものといえよう。選出された40歳前後の未来のリーダー10人は、社会的地位こそ丁磊氏ら富豪に匹敵する者は少ないものの、史美倫氏、保育均氏ら、国内経済学界・業界の著名人らが注目する中国の未来の経済リーダーだ。富豪とは資産の多少だけでなく、強い社会的責任を意味していると明らかにいえよう。資産はあっても責任を持たない富豪は、未来社会の経済リーダーとは見なされず、資産と責任を備えた富豪こそ社会の中核的人材になり得る。


 ネット富豪伝説

 ンターネットは若い富豪の伝説を作った。丁磊、陳天橋の両氏は今年の「胡潤版中国長者番付100人」で最も輝かしいスターとなった。丁氏は資産総額75億人民元で首位に立ち、陳氏は同40億元で10位以内にランクインしたダークホース的存在だ。胡氏は「中国には中国のビル・ゲイツがいる」と評価。新たな経済発展により、より多くの若者たちに財産を築くチャンスがもたらされたとの見方を示した。

 丁磊と陳天橋の両氏は70年代生まれ。

 ゲーム『伝奇』は、陳天橋伝説を生んだ。彼は創業から最速スピードでランキングに名を連ねた。陳氏が経営する会社の人材流出度は極めて低く、創業からわずか4年 

胡潤版2003年中国大陸富豪ランキング
No. 氏名 資産
(億元)
1 丁 磊 75
2 栄智健 70
3 許栄茂 68
4 魯冠球 54
5 陳麗華 48
5 劉永好 48
5 葉立培 48
8 孫広信 42
9 劉永行 41
10 陳天橋 40

で、世界3大オンラインゲーム・メーカーの一つとして数えられるようになった。

 盛大網絡は1999年11月の設立発表当時は単なるアニメーション・サイトに過ぎなかった。しかし2003年9月末までに、盛大網絡のオンラインゲームのユーザーは累計1億5000万人を突破、同社のオンラインゲームに同時参加した最多人数は102万人に達した。サーバーは全国24省の50市以上で700組以上、8000近くに上り、これに伴いインターネット通信容量は16ギガ以上に拡大した。こうした数々のデータは中国のオンラインゲームにおける輝かしい記録といえる...>>


進む若年層化

 能ある若者が自らの才覚を資本に転化し名実ともに富豪となる成功例モデルがインターネット関連業界にあるのは疑うまでもない。しかし、短期間のうちに富豪にのし上がるエピソードは、実は従来型産業にもかなりある。「胡潤版長者番付100人」に上った70年代生まれの7人のうち、丁磊氏、陳天橋氏を除く5人はいずれも従来型の業界の出身である...>> 

富豪を生み出す環境の変化

 国の有名雑誌『フォーチュン』はさきに2003年版世界の40歳以下の富豪トップ40を発表した。中国内陸部の若い富豪6人の名前がランキングに名を連ねた。最高順位は丁磊氏。資産総額8億2600万米ドルで14位だった。ほかの5人は、中国最大水産養殖企業・通威集団の劉漢元総裁(資産総額4億6200万米ドル、23位)...>> 


問われる社会的責任

  学暦、鋭いビジネスセンス、環境の改善――。こうした条件の変化は、政府の政策に頼って頭角を現したベテラン富豪らに一つの事実をつきつけた。ベテランたちの考え方はすでに時代の潮流からかけ離れつつあり、リタイアを迫られているということだ。こうした世代交替は、富豪層全体の資質の底上げにつながるだけでなく、「成り上がり」という富豪たちに対するこれまでの概念を変える可能性もある。新顔の富豪たちのもともとの資産は、大部分が目に見える形で公正に蓄えられたものであり、社会に対するオープン度は明らかだ。

 こうした1970年代生まれの富豪たちの活躍は、これまでになく同年齢の若者たちに富の存在を身近に感じさせ、今後も社会の中堅世代の富への欲求を大いに刺激することだろう。

 しかし、われわれは富の獲得という理想の実現と同時に、「金持ちの道徳観(為富仁与不仁)」という古代からの命題を冷静に考えなければならない。保有する巨額な財産に気を取られて新世代の富豪たちが担う社会的責任から視線をそらしてはならない。富豪たちは自らの巨額の資産で社会に福祉をもたらすことができるが、反面で巨大な破壊作用を生むこともある。アジア開発銀行(ADB)中国代表部チーフエコノミストの湯敏氏は『財経』最新号で「一人当たりGDPが500〜3000米ドルという発展段階では、経済発展の均衡、社会秩序、心理的バランスを失いやすく、社会倫理の再建が求められる時期だ」という。中国の経済、社会の発展はまさにこうした危険な段階に入っている。

 こう考えた場合、巨大な社会的資源を得た新世代の富豪たちはより多くの社会責任を担わなければならない。『財経』の特集「中国の未来の経済リーダー」は、「経済リーダー」について「各業界で抜きん出た存在であると同時により強い社会的責任感を備えているという点で、富豪とは区別される」と定義する。伝統的な考え方に挑む困難なプロセスであることは間違いないが、そうしてこそ、信用に足り責任を担うグループという中国の富豪の新しいイメージをつくることができる。これもまた、新世代の富豪たちが後進の模範として確立することが求められている点だ。

 
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