日本語版   中国語版       2004年3月9日 
 

 13年前に産声を上げてから今日まで、中国資本市場は順調な成長過程をたどってきた。新たな発展段階に入ろうとするこの重要な時期に、「国務院による資本市場改革開放と安定発展の推進に関する若干の意見」が発表され、中国資本市場の春の訪れを感じさせている。
 中国経済の発展は資本市場という「推進役」を必要とし、一般大衆は株式市場に投資のチャンスを求めている。総体的また戦略的な立場から、資本市場の発展を推進する今回の重要政策が発表され、春到来を告げる強風のように、中国株式市場の新たな展開を告げることになった。

 

株式市場の発展は中国の改革過程を反映

  中国株式市場が現在の規模になるまでには、実にはるかな道のりがあった。

 上海証券取引所が1990年12月、深セン証券取引所が1991年7月にそれぞれ誕生し、中国証券市場が形づくられた。株式市場と投資家の出現は、これまでとはまったく違う考え方と市場活力を社会主義市場経済にもたらした。「株券」「上場企業」「市場利益率」といった新しい単語が流行したが、証券市場の将来性について、疑問を抱く人もまた少なくなかった。

 1992年冒頭、トウ小平氏は「南巡講話」の中で、「証券市場や株式市場の効果や危険性について見極める必要はあるが、断固として行わなければいけない。社会主義は資本主義に対する比較優位性を保つには、人類社会が生み出した一切の文明成果を大胆に吸収し、学ばなければいけない」と指摘した。

 この思想解放により、中国株式市場は大きな発展の機会を迎え、株券発行拠点は上海・深センから全国各地へと拡大した。市場規模も成長の一途をたどり、1993年には183社であった国内外の上場企業が、現在は約10倍の1200社余りに達している。国内株式時価総額も4兆5000億元と、1993年の3500億元から13倍近くまで成長した。

 この10年間は市場動向が激しく変化し、株式指数の変動も目立ったが、前へ進む歩みが停滞したことはない。中国資本市場は無から有へ、小から大へと発展し、社会主義市場経済体制の一環を担うまでに成長した。

 中国証券監督管理委員会の尚福林主席によれば、10数年の模索と発展を経て、一部国有企業は上場によって現代企業制度の改革を先導し、モデル的な役割を果たし、伝統産業のモデルチェンジを進める上で直接融資という道を切り開いた。上場企業は経済分野における影響力を日増しに強め、中国の経済発展を強力に推し進めるまでに成長した。

 この13年の間に、中国資本市場は先進諸国の100年分の歴史を駆け抜けてきた。中国経済の証券化率(国内総生産高に対する株式時価総額の比率、中国は現在約50%)は明らかに向上し、証券市場が投資家に提供する株券やファンド等の種類も増え、社会資本の投資チャネルが拡大された。上海、深セン両取引所の投資者口座数は7000万を突破。株式市場の変動に多くの人々の関心が寄せられるようになった。


「補欠」から「推進役」へ

  中国経済における資本市場の立場は、初期の「補欠」のような役割から、国民経済建設の全般に関わる「推進役」へと昇格した。資本市場の発展と直接融資拡大が、経済成長を促進させ、社会財産を生み出す上で有利に働くことは、すでに社会全体に広く認知されている。

 しかし、中国資本市場は計画経済から市場経済へと路線変更がなされる中で発展した新興市場であり、歴史も浅く、経済的地位の上昇に伴って、改革発展を阻害する矛盾や問題点も表面化してきた。

 過去3年間に、中国株式市場は苦しい再生過程を味わい、上海証券取引所総合株価指数は2245ポイントから1307ポイントまで下落した。「所有権の不明確」という弊害のクローズアップ、広夏(銀川)実業など上場企業の粉飾決算、中天勤会計士事務所など仲介機関の信用失墜、中科創業の不正株価操作、南方証券など証券会社の経営悪化――こういった数々の事件により、中国株式市場は空前の信用危機に直面した。

 成熟した海外の市場に比べると、中国の証券市場の規範化は不十分で、国際化の遅れや、市場階層や銘柄の限定、構造不完全などの問題が投資家の積極性を妨げていることは疑いがない。

 長年蓄積された問題と深い階層における構造性矛盾が明らかになるにつれて、中国証券市場の適正化メカニズムが効力を発揮するようになった。業績が芳しくない一部上場企業や、信頼性に欠ける仲介機関が相次いで処罰されたり、市場からの撤退を余儀なくされ、優良資産を持ち、経営が健全な上場企業や、業務経歴に問題のない仲介機関が大きく発展した。

 13年間の発展過程を振り返ると、中国資本市場は経済体制改革の歩みと共に成長してきたことが分かる。成立初期の改革不徹底や制度設計上の限界により、資本市場は深い階層における問題点や構造性矛盾を避けることはできなかった。これらは資本主義の発展過程で遭遇する問題であり、また発展過程で解決をはかるしか方法がないものである。

 現在は市場の洗礼を受け、鍛え抜かれて、中国株式市場の各参加主体はより理性的になり、また成熟してきた。国務院が発表した「資本市場の発展を推進する9つの意見」は、中国株式市場に新しい春の到来を告げるものと認識されている。これまでと明らかに異なるのは、投資家の意識が目先の株式指数や株価上昇といった短期的な利益獲得から、より長期的かつ広い意味で国のマクロ政策を理解しようとする方向へ変わってきたことだ。このところ市場における売買も活気を増してきたが、理性に欠ける過熱状態までは至っていない。ちょうど悩み多き成長期から脱した子供のように、中国資本市場の歩みも安定性を増したのである。


中国資本市場の新時代を拓く 

  中国株式市場はわずか10数年の歴史しか持たず、昇ったばかりの太陽に等しい。未来に目を向けてみれば、さらに大きな成長の余地が残されている。

 第16回中国共産党代表大会で「資本市場の改革開放と安定的発展の推進に関する戦略目標」が提出され、第16回中央委員会第3次全体会議で資本市場建設に向けた各種任務がさらに明確化された。これらの重要精神によって、社会主義市場経済体制の確立、小康社会の実現における資本市場の発展の重要な意義を認識し、資本市場の改革開放と安定的発展を推進させることが、現在の大方の流れになっている。

 中国マクロ経済は好況が続いており、証券市場の急速な発展を促し、これまでにない好機を生み出している。経済力の増大は資本市場の発展過程における矛盾解決に豊富な物質基盤を提供する。経済の高度成長は企業の大量融資需要を喚起する。経済構造調整の過程で起こる企業統合や再編により、多大なサービス需要が発生する。一般大衆の生活改善によって投資多様化に対するニーズが増加する。金融資源の再配置によって多様なリスク管理を求める声が高まる。加えて、中国資本市場の健全な発展に対する国際社会の認知は、中国資本市場の発展にまたとないチャンスと良好な外部環境を生み出した。

 優良経営を続け、国民経済の中核をなすブルーチップ企業の参入によって、中国の証券市場と国民経済の関連性はますます強まっている。株式市況も、以前のように見境なく暴騰や暴落を繰り返すことはなくなった。国民経済や上場企業などの実体経済が、今後も基本的に伸びていくという予測が広く認知され、投資家もよりバリュー投資に目を向けるようになっている。

 「国務院による資本市場の改革開放と安定的発展の推進に関する若干の意見」という綱領的性格を持つ文書の公布によって、証券・ファンド・保険などの金融業界の士気は高まっている。資本市場の資金供給量が拡大すれば、上場企業はより優れた融資環境に恵まれ、資本市場を通じた成長が容易になる。一方で、「意見」は上場企業に対する要求を強めており、上場企業のレベル向上を促し、また資本市場全体の規範化と投資家の信用回復に役立つとされている。「意見」は資本市場、上場企業、投資家のいずれについても長期的にプラスになることが考えられる。


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