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中国が力を入れる都市リニューアル

人民網日本語版 2023年01月11日17:04

寧夏回族自治区銀川市金鳳区の新昌路特色街区に登場した「二十四節気」がテーマの看板アート。(撮影・袁宏彦。画像提供は人民図片)

1919年に創建された北京首鋼園は、かつては鉄鋼メーカー・首鋼集団の中核生産エリアだった。北京市が2008年の五輪招致に成功すると、グリーン北京・グリーン五輪の実現という約束を果たすため、首鋼は歴史に前例のない鉄鋼生産の大移転を実施した。

そして今、首鋼園に足を踏み入れると、そこは鉄鋼業の名残と冬季五輪の要素が完全に溶け合った空間になっている。自動運転車、書店と展示、カフェにグルメ、音楽やエレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)、多彩な各種フォーラム……かつての「さびついた工業地帯」は「ライフスタイルのランウェイ」に変身し、独特の生命力と活力に満ちている。

「以前は歩道が狭い上に混んでいて、テーブルが2-3脚しか置けなかったし、下水道などの設備も整っていなかった。今は環境がものすごく改善されて、観光客もひっきりなしにやって来る!」。重慶市の山城巷で30年以上にわたり火鍋レストランを営んできた印波さんは、2年間近くに及んだ山城巷のリニューアルについてこのように話し、「非常に満足している」と締めくくった。

山城巷は山の斜面に沿って建設され、崖を上り下りするようになっており、100年に及ぶ時代の荒波をくぐり抜けてきた。環境の美化と施設の改良を経た山城巷は、文化の香りをたたえ、現代的な感覚を身にまとい、新しい姿で私たちの前に現われた。

首鋼園の産業遺産の再利用も山城巷の「ミクロ改造」も、中国がここ数年で進めてきた都市リニューアルの縮図だ。

北京市のビッグエア首鋼で記念撮影をする観光客。(撮影・賀路啓。画像提供は人民図片)

都市リニューアルとは何か。華南理工大学の巫喜麗准教授は、「都市リニューアルとは主に、都市化が発展して成熟期に近づいた時、保護・改築・取り壊し、公的な資源の整備といった合理的な『新陳代謝』の手段を通じて、都市の空間資源を改めて調整・配置し、人々の期待やニーズによりよく応え、経済・社会発展の実際の状況によりよく対応することを指す」と説明した。

改革開放がスタートしてから、中国は世界最大規模かつ世界最速の都市化プロセスをたどってきた。現在、中国の常住人口の都市化率は64%を超え、東部沿海都市では70%を超えるところもある。

世界的な経験と発展の法則から見れば、都市は急速に発展する中で都市問題に直面することが多い。都市インフラの老朽化、交通渋滞、環境汚染、歴史的建築物が多く再開発が難しいなどだ。

中国の都市発展が量的増加を重視した大規模な建設の段階から、量をキープした質向上のための改造と量の増加の構造調整がともに重視される段階に移行するのに伴い、ますます多くの都市が法律を制定して、積極的に都市リニューアルを通じて質の高い発展を実現し、暮らしやすい都市で生活したいとする人々の新たな期待に常に応えようしている。

改修が終わり、装いを新たにした四川省宜賓市興文県古宋鎮中山街の古いブロック。(撮影・厳易程。画像提供は人民図片)

中国都市計画設計研究院の王凱院長は、「都市リニューアルは物質面の空間的なリニューアルだけでなく、歴史や文化など精神的な内容も含むものだ。歴史と文化の保護を重視することは、各地の都市リニューアルの法律制定における『標準装備』だ」と述べた。

広東工業大学建築・都市計画学院の謝滌湘教授は、「都市リニューアルは『新陳代謝』のプロセスで、総合的な研究と長期的な計画が必要であり、目先の利益を急いで求めてはならない。量と速度ばかりを強調すれば、都市に損失をもたらすだろう。リニューアルの質と人間的配慮を重視しなければならず、リニューアルする地域の特色に基づいて、適切な目標を設定し、適切な方法を用いて、都市の質を向上させる必要がある」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2023年1月11日

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