四肢麻痺患者、ブレイン・マシン・インターフェース技術で水が飲めるように

人民網日本語版 2024年02月02日13:45

ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)により、脳波による動きの制御が可能になる。首都医科大学宣武病院の趙国光教授のチームと清華大学医学院の洪波教授のチームはこのほど、「中国のBMI技術に画期的な進展があった。植え込み式硬膜外電極BMIにより、四肢麻痺患者が自ら水を飲むといった脳の制御機能を実現した。把握精度は90%を超えた」と発表した。新華社が伝えた。

BMIを植え込まれた患者は交通事故により頚椎の脊髄が完全損傷し、長期間にわたりに四肢麻痺の状態だった。2023年10月24日、趙氏と洪氏のチームはワイヤレス低侵襲植え込み式BMIの初の臨床植え込み試験を行った。硬貨サイズの2台のBMIプロセッサーを神経外科医の操作により四肢麻痺患者の頭蓋骨内に植え込んだ上、感覚運動野の頭蓋骨内脳信号の受信に成功した。

この患者は自宅における3ヶ月のリハビリを経て、脳波によって空気圧手袋を操作し、自ら水を飲むといった脳の制御機能を実現した。把握精度は90%を超えた。患者の脊髄損傷臨床評価スコアと感覚誘発の電位反応がいずれも改善された。

同プロジェクトはワイヤレス低侵襲の面で2つのブレイクスルーがあった。1つは、頭蓋骨内信号の質を保証しながら、神経組織を直接的に破壊しないことだ。もう1つは、NFC給電と信号伝送を採用しており、頭蓋骨内に植え込まれた体内デバイスに電池を使う必要がない。

2例目の脊髄損傷患者の植え込みは2023年12月19日、首都医科大学附属北京天壇病院で成功し、正常に信号の受信ができた。患者は現在、自宅でリハビリ中。このワイヤレス低侵襲BMIの臨床試験は2023年4月と5月にそれぞれ宣武病院と天壇病院での倫理審査に合格し、中国内外の植え込み医療機器の臨床試験登録が行われた。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年2月2日

注目フォトニュース

関連記事