中国が今年の都市部新規雇用者数目標を「1200万人以上」に設定

人民網日本語版 2024年03月07日11:09

5日に審議された第14期全国人民代表大会(全人代)第2回会議の政府活動報告には、都市部の新規雇用者数1200万人以上と調査失業率5.5%前後を今年の目標として掲げている。新華社が報じた。

都市部の新規雇用者数の目標は昨年の「1200万人前後」から、「1200万人以上」に調整され、より積極的な雇用目標を掲げることで、雇用を安定させることができるという強い自信を外部に発信する形となった。

国民の生活において最も重要な雇用は、経済発展の最も基本的な下支えでもある。では、今年の目標が上記のように設定されたのはなぜなのだろうか?

中国人民政治協商会議全国委員会の委員を務める中国労働・社会保障科学研究院の莫栄院長は、「民生に対する高い関心が示されており、現実を考慮した結果でもある。今年は、経済運営のリスクと課題が増え、重点グループの人々の就職のプレッシャーが増している状況にあり、国民の雇用問題を必ず解決しなければならないという決意を際立つ位置に置くことで、雇用優先という政策の方向性を示している」と説明する。

今年は都市部の新たな労働力人口を対象とした雇用を高水準でキープさせなければならない。今年の高等教育機関卒業生は1170万人以上と、再び過去最多を記録する見込みであると同時に、多くの出稼ぎ労働者の雇用問題も解決しなければならない。そのため、雇用安定が非常に重要なカギとなる。

目標達成は可能か?

政府活動報告は、今年の実質GDP成長率目標を「5%前後」としている。これも、雇用と増収の促進といった面の必要を考慮したうえで設定された目標だ。

莫院長は、「経済成長と雇用創出の関係を見ると、GDPが1ポイント上昇すると、約200万人の雇用が創出される。数年間の経済構造調整を経て、特にサービス業が急速に発展しているのに加えて、各級政府が雇用優先政策を着実に実施しているのを背景に、経済・社会の発展が雇用を押し上げる力も着実に増強されている」と説明する。

過去3年の雇用目標達成状況を見ると、都市部の新規雇用者数はいずれも1200万人を超えている。2023年だけを見ると、GDP成長率は5.2%で、中国全土の都市部の新規雇用者数は1244万人だった。また、農村から出稼ぎに出る労働者の規模も拡大を続けているほか、貧困を脱却した出稼ぎ労働者は3397万人に達した。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年3月7日

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