GDP成長率5.3%、その背景にある中国経済の新たな動き

人民網日本語版 2024年04月17日15:34

中国経済は今年第1四半期(1-3月)、GDP成長率が前年同期比5.3%増と良好なスタートを切った。この成長率の背景には、注目すべき新たな動きがある。

■強大化し続ける新たな原動力

第1四半期、中国の一定規模以上(年売上高2000万元以上)のハイテク製造業の生産額(付加価値ベース)は7.5%増加し、一定規模以上の工業全体の増加率を1.4ポイント上回った。公式の推計によれば、これは工業全体の生産額(付加価値ベース)成長率を1.1ポイント押し上げた。それだけではない。中国マクロ経済研究院経済研究所の郭麗岩副所長は、第1四半期にはハイテク製造業とハイテクサービス業の投資がいずれも前年同期比10%以上の増加を維持したことに注目。「新たな産業や新たな原動力が中国経済を支える力が著しく高まっている。中国が新たな質の生産力の育成を加速する過程で、新たな産業は資本だけでなく人材も含めたより多くの要素資源を吸収している」と指摘する。

■絶えず打ち出される新たな政策

政府は現在、新たな大規模な設備更新や、消費財の下取りによる買い替えを推奨する「以旧換新」政策を推進しており、これにより1兆元(1元は約21.4円)規模の市場が誕生する見通しだ。一部の地域では住宅の買い替えが模索され、新築・中古住宅市場の連動を牽引しようとしている。買い替え効果は消費にとどまらない。郭副所長は、「買い替えの推進は消費財製造業のモデル転換と高度化の牽引に寄与し、雇用問題を解決し、地方経済の発展を支える。同時に、新しい産業、新しいモデル、新しい製品の応用に、より広範な消費シーンを提供し、技術開発のグレードアップを促進すると見られる」と指摘する。

■年初に新たなブレイクスルー

第1四半期、中国の貿易総額が同期としては初めて10兆元を突破し、輸出入の増加率は過去6四半期で最高となった。昨年は中国の新エネルギー車など「新三種の新器」(電気自動車、リチウム電池、太陽電池)の輸出が目立った。中国社会科学院財経戦略研究院国際経済貿易研究室の張宇副室長は、今年は機械・電力設備の輸出が依然として際立ち、第1四半期には労働集約型製品の輸出も顕著に増加したことに注目。「今や中国の輸出は人件費の安さにはもはや依存していない。これは、製品の生産工程が技術の進歩に伴い変化したことを強く示している」と指摘する。張副室長は、「需要規模のもたらすコスト的優位性、デジタル化による在来製造業の活性化、人的資本と技術蓄積による研究開発能力の向上などが、中国の輸出に新たな比較優位性をもたらしつつある。複雑な外部環境に直面しても、第1四半期に幸先の良いスタートを切った中国の貿易は今年、安定の中で成長を維持していくだろう」との見方を示した。(編集NA)

「人民網日本語版」2024年4月17日

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