世界初! 中国が月の高画質地質画像集を作成

人民網日本語版 2024年04月22日13:25

月がこれほどはっきり見えたことはない。世界初の高画質月地質画像集が21日午前0時、北京市で正式に発表された。この画像集は中国の科学研究チームが作成したもので、主に嫦娥プロジェクト科学探査データに基づいており、縮尺は1:250万、現時点で精度が最も高い月全体の地質画像集だ。新華社が伝えた。

月面クレーターの形はどうなっているか?月にどのような岩石と鉱産物があるか?月にはどのような地質活動があったか?この画像集ではそれらを直観的に見ることができる。

中国の科学研究チームが作成した月全体の地質画像。(画像提供は中国科学院地球化学研究所)

中国の科学研究チームが作成した月全体の地質画像。(画像提供は中国科学院地球化学研究所)

中国科学院地球化学研究所の劉建忠研究員は、「月の地質画像は月表層の地質構造、マグマ活動、鉱産物分布などの情報を総合的に示すもので、人類の月観測及び研究成果を集中的・直観的に示すことができる。月の地質画像の作成により人々の月への認識を深めるのに役立つ。また月の科学研究・探査、さらには月面基地建設に力強いサポートを提供できる」と説明した。

世界で長期間にわたり使用されてきた月の地質画像は、主に米アポロ計画で得られたデータと資料に基づいている。現在の国際的な月探査・研究の発展が加速するのに伴い、これらの月の地質図が明らかに遅れている。

劉氏は、「これらの地質画像のうち精度が高いのは局部の画像だけで、月全体をカバーするのは縮尺1:500万のものしかない。これらの月の地質画像は作成された年代が古く、人類のここ数十年の最新の研究成果が十分に反映されていない」と述べた。

このため、中国の月探査初代首席科学者の欧陽自遠院士は2012年に、新たな月地質図作成の構想を打ち出した。

その後、中国科学院地球化学研究所、吉林大学、山東大学など複数の機関の科学研究者で構成される作成チームが十数年の努力を経て、この画像集を作成した。

この画像集には月全体の地質図(メイン画像)、月全体の岩石タイプ分布図、月の構造概要図、そして30の月の標準地質図が含まれる。

メイン画像では、月全体の1万2341個のクレーター、81ヶ所の衝突盆地を見ることができ、17種の岩石タイプ、14種の構造を識別できる。人類探査機の着陸地点や特別標高点などの特殊要素も画像集に表示されている。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年4月22日

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