発表者として参加した“第10回日中看護学会”
2006年9月16日から19日までの3日間、中国江蘇省蘇州市にて日本看護協会と中国護理学会共同主催の下、「第10回日中看護学会」が開催された。その学会で、昨年8月湖北省刑州市で青年協力隊協力隊看護師隊員と配属先の同僚(以下CP:カウンターパート))とが協力し開催した“日中看護学術交流会”の内容をまとめ論文を作成し、今回その学会の場で発表する機会を頂いた。その発表者としての体験を報告したい。
青年海外協力隊をアピールするために、協力隊のエンブレムの付いた紺のブレザーを着用して発表に臨んだ。私達の論文発表は、17日午前分科会TのB会場で5番目の発表であった。
16日が学会集合日であったが、その夜は9時からホテルの一室に集まり、眠いのも忘れ夜中の3時まで日本で看護師隊員の技術的なサポートをしてくださっている森淑江先生を交えての発表原稿の修正、プレゼンテーション資料の修正、訂正部分の配布資料を分担して行った。17日の発表前夜も9時から集まり、森先生と参加したCPも交え、プレゼンテーション資料を見てもらいポインターを実際に使いながら、原稿の内容も確認しながら最後の練習を行った。CPからは「問題ない。」とのコメントを頂いたが、隊員からは「声を大きく、低い声で、腹から声を出すように」と意見があり、またイントネーションについての指摘もあった。隊員と森先生の指導の下、この日の夜も遅くまで、何度も声の出し方などの練習を行った。
18日の発表当日。朝もプレゼンテーション資料を使っての練習をして発表に臨んだ。早めに会場に行き、座長と通訳の方に挨拶し、その後実際に壇上に立ってみて壇上から見る会場の様子を確認し、プレゼンテーション資料とポインター指示の確認を行った。
発表本番は前日に指導された「声質と声の大きさ」を意識していたので、発表に集中でき思ったほど緊張しなかった。発表が終わり、座長からのコメントがあったが、発表が終わり安堵したのと質疑応答の事が気になり、座長のコメントを聞き逃してしまった。質疑応答の時間へ移ったが、以前の活動支援依頼書にて森先生から、「発表が完璧でも質疑応答にしっかり答えられなければいい発表者とは言えない。」との助言を頂いていたので手が震えるほど緊張した。質疑応答では会場からの質問はなく座長からロールプレイに関して一つだけであった。質問に対しては何とか答えたが、もっと上手な回答があったと反省している。
発表後、会場から質問が無かったことは参加者に興味を持ってもらえる発表が出来なかったのではと不安になり、同時に自分の発表がどうだったのか評価が非常に気になった。
発表後の休憩時間に、たくさんの方から質問、意見やコメントを頂いた。それから夜の答礼会の同席者の方からも「午前中の発表で一番良かった、興味深かった。」との意見を頂いて、初めて発表が成功したことを実感出来た。
発表直後隊員たちやCPが涙ぐんでいたと聞き、隊員だけでなく参加したCPも巻き込めた発表であったと思うことが出来た。
今回の学会参加・発表までの経過において、中国の国土が広いがゆえに、隊員それぞれが離れた地域におり、その中で一つの論文を作成するのは容易でない。発表に至っては、発表者は発表だけでなく質疑応答にも正確に答える必要があることがとてもプレッシャーであり、発表者はひとりであるという孤独感も覚えた。
しかし今回の発表は、看護師メーリングリストを使いながら連絡を取り合い、それぞれが出来ることを分担して、出来る限りの準備して望んだ。また質疑応答対策として綿密に資料を準備し、質問に対する回答もみんなで考えた。それから前々日、前日には森先生を交えての発表原稿修正は、特に中国人側から受け入れられように意識した表現に修正した。学会出発前夜には、今回参加できなかった隊員から応援のメッセージも頂いた。帰国隊員も自費にて学会参加してくれた。
これらのことから、参加した隊員だけではなく残念ながら参加出来なかった隊員も含め、中国看護師隊員全員でいろいろな問題や困難を克服し、協力して出来るだけの準備をして学会発表に望んだ為、成功を勝ち取ることが出来たと思う。
今回私は、学会発表者としてのこのように貴重な経験をさせて頂いた。努力は実ること、そして一人の力は小さいが協力すれば大きな力となることも実感できた。この成功は中国看護師隊員全員の努力と協力の結果であり、全員で喜べることをうれしく思う。この経験を今後の活動に生かし、参加させて頂いたCPと共に報告会という形で配属先へ還元していきたい。
昨年の交流会企画・実施から学会論文作成、学会発表までの約2年間関わってくださった、中国・日本を問わずたくさんの方々へ感謝したいと思う。
ありがとうございました!!そして、お疲れ様でした!!
16年度2次隊 新疆ウイグル自治区アクス職業技術学院医学系 看護師 石山洋子