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SF大作「クラウド アトラス」監督が訪中 中国版40分カットに「残念」

 「マトリックス」シリーズで世界を驚かせたウォシャウスキー姉弟と「ラン・ローラ・ラン」、「パフューム ある人殺しの物語」などで知られるドイツの鬼才トム・ティクバの3人が共同で監督・脚本・製作を務める壮大なSF叙事詩大作映画「クラウド アトラス」のプレミアが21日、北京で行われた。プレミアに出席した監督3人は今回がいずれも初の中国入り。だが中国についてはかなり知識があるようで、ノーベル文学賞を受賞した莫言氏や「三国志」、「故宮」に関する話題のほか、「中国針」の治療に行ったエピソードなども披露。また中国で上映されるバージョンが174分のワールドバージョンよりも40分短いことについて残念だと語った。中国人出演者であるジョウ・シュン(周迅)も同プレミアに出席し花を添えた。

 ■映画化不可能といわれた原作の世界をオスカー俳優たちが再現する

 「クラウド アトラス」は、新進気鋭の作家デイヴィッド・ミッチェルが2004年に執筆しブッカー賞最終候補にもなった同名ベストセラー小説を映画化したものだが、この小説に描かれている世界観があまりにも広範なため「映画化が最もありえない作品」と考えられていた。キャストには「フォレスト・ガンプ/一期一会」のトム・ハンクスや「チョコレート」のハル・ベリー、「デッドマン・ウォーキング」のスーザン・サランドンなどのアカデミー賞受賞の演技派俳優に加え、ヒュー・グラント、ヒューゴ・ウィーヴィングや韓国が誇る若手実力派女優のぺ・ドゥナらが出演。中国からはジョウ・シュン(周迅)とジュジュ(朱珠)の二人が出演している。

 物語の主人公は、6つの時代と場所で、6つの人生を生きる男。悪人から始まり、さまざまな数奇な人生と経験を経て、ついには世界を救う救世主にまで魂が成長していく男の物語だ。舞台は19世紀から24世紀まで、過去・現在・未来にまたがる500年の間の6つのエピソードが縦横無尽に繋がりながら描かれていく。

 ■伝承、因果、輪廻などの東洋文化が描かれる

 ウォシャウスキー姉弟の「マトリックス」シリーズが当時、中国人に与えた最も深い印象は映画の中で描かれていた東洋哲学の思想だった。ラナ・ウォシャウスキーは北京を訪問した1日目に故宮に行き、その後、針治療を行ったことを語り、「なかなか良かった」と印象を語った。

 アンディ・ウォシャウスキーは、今回の映画の中にも東洋文化がかなり描かれていることを述べ、「我々は映画の多元化を目指した。例えば原作の中に韓国のシーンがあったので、我々は特別に韓国の役者を使って演技してもらった。グローバル化された視点と要素で映画を見たいと思った」と語った。

 トム・ティクバは「この映画は伝承や因果、輪廻について描いており、これは東洋文化に大きく由来している。中国の観客はこの映画に対してより深い理解を示すはずだ」と語った。 

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