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中国・タイのビザ相互免除、実現すればタイ旅行がぐんと身近に

 タイの大手旅行社に務める中国系タイ人の陳マネージャーは12日、「中国とタイの間で観光ビザが相互免除になれば、両国の観光業に大きなプラス作用が及ぶだろう」と語った。ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国が、一般旅券所持者に対するビザ免除の協定を中国と行うのはこれが初となる。羊城晩報が伝えた。

○観光のクオリティが向上

 陳マネージャーによると、彼女が務める旅行会社は、ツアーを組んで毎月数千人のタイ人を中国に送り込み、毎月100組以上の中国大陸部からの観光団体ツアーを受け入れているという。中国「観光法」施行後、「ゼロ円ツアー(ツアー代金がコストと同じまたはそれ以下のツアー)」は全てキャンセルとなったが、観光のクオリティ自体はかなり高まっている。

 陳マネージャーは、「中国とタイのビザ相互免除が実現すれば、中国からの高品質のツアーをより多くタイに誘致することができることは確実だ」と強調した。

  タイ駐在生活の経験が豊かな在タイ中国大使館前大使の張九桓氏は、「タイ政府はこれまで、外交・公務パスポートを所持する中国公民を対象に、ビザ免除策を実施してきた。今、『全面的な開放』に向け、一般パスポートを所持する中国公民もその対象として検討を進めている」と語った。

 張氏は、「中国人の海外旅行と言えば、『慌ただしく来て、ざっと観てすぐ帰る』が、これまでお決まりのパターンだった。中国とタイのビザ相互免除が実現すれば、中国人は、タイの休日をもっとゆったりと時間をかけて楽しみ、この国をより深く理解することができるようになるだろう」との見方を示した。

 専門家は、「中国とタイのビザ相互免除が実現すれば、中国国内のタイツアー商品が大幅に増加する」と指摘。その中でも、団体旅行に比べ「フリープラン」や「個人旅行」の割合が大きく伸び、旅行会社はビザ免除策の実施を前提として、タイへのフリープラン商品の展開に力を入れ、より奥行きの深い細分化された旅行商品を開発すると見られる。また、ビザ免除によって、中国人観光客による海外旅行市場が大幅に伸びると同時に、中国のインバウンド旅行市場も再び盛り上がると期待される。

○時間節約・経費節約・エネルギー節約

 陳マネージャーは、「ビザ取得のための手続きの煩雑さや時間がかかることを嫌がり、中国への旅行を断念するタイ人は多い。中国国内でも同じような状況に違いない。両国のビザ相互免除が実現すると、両国の観光客は、多くの時間やエネルギーを節約することができる」と指摘した。

 業界内の予想では、今年タイを訪れる中国人観光客は延べ400万人、来年には延べ500万人に達する見通し。

 在中国タイ大使館公式サイトの資料によると、中国公民がタイ入国のための観光ビザを申請する場合、有効期間が6カ月以上のパスポート、記入漏れのない申請書1枚、パスポート写真と同サイズの写真1枚、往復航空券もしくは予約確認書コピー、申請料230元(約3700円)が必要で、申請から発給までに3-5営業日を要する。
 
 在タイ中国大使館前大使の張氏は、「急ぎの用事などの場合、在タイ中国大使館領事部は、時にはルールを無視し、中国を急ぎ訪問する必要のあるタイ人に対してビザ発給業務を行うため超過勤務をしてきた。ビザ相互免除が実現すれば、このような問題は全て解決する」と語った。(編集KM)

 「人民網日本語版」2013年10月14日

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