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スパコン「天河1号」、各業界での応用が進む

人民網日本語版 2014年12月31日15:01

天津華大基因科技有限公司市場部経理の楊亮氏はこのほど取材に対し、「悪性腫瘍の患者にとって、時間は貴重だ。スパコン・天河1号の計算により、治療薬選択の効率が大幅に改善される。当社の腫瘍への投薬に向けた遺伝子検査では、1度の検査で腫瘍と関連する508の遺伝子を調べ、88種類の治療薬を探すことができる」と述べた。これは天河1号の超高性能の分析・処理能力に基づくものだ。人民日報が伝えた。

中国初のペタフロップス級スパコン・天河1号の開発成功により、中国のスパコン独自開発の重大な進展が実現された。

◆独自開発でコア技術を把握

天河1号は2010年11月、スパコンの処理能力ランキング「TOP500」で1位になり、ピーク時の演算性能は毎秒4700兆回に達した。中国のスパコンとスパコン技術が、世界の注目を集めた。

国家スパコン天津センターの劉光明センター長によると、天河1号は世界で初めてCPU+GPUのヘテロジニアスな構成を実現したスパコンであり、この新型構成の技術の流れをけん引した。天河1号向けに開発された高速ネットワーク通信技術も大きな進展であり、配線チップ、ネットワーク通信アーキテクチャ、切り替え装置、ハードウェアのドライバソフト、並列通信環境のすべての自主開発・設計を実現した。通信能力は2009年の正式発表時に80GBsに達し、当時米国で主流だった商業用チップの2倍となった。

◆石油開発、新薬開発などの革新をサポート

天河1号の高い演算能力は、中国の国民経済の重要分野における重大計算能力の問題を解消し、中国の産業モデルチェンジ・アップグレードを力強く支えた。

石油開発において、国家スパコン天津センターは中国石油集団東方地球物理勘探有限責任公司と提携し、中国が独自に開発した地震データ処理ソフトを使用した。また天河1号を通じ、複雑な地質条件下で、3D連続データ、高密度探査大規模データの処理を行った。

新薬開発にスパコンを活用することで、薬品の分子設計の速度・成功率が飛躍的に向上した。従来ならば数年はかかった計算が、現在は数週間で完了できる。中国科学院上海薬物研究所薬物発見・設計センターは、天河1号を使い分子ドッキング、動力学的シミュレーションを行い、てんかん治療のリード化合物を発見した。

煙霧の予報・警報は、天河1号が切り開いた新たな分野だ。国家スパコン天津センター応用研究開発部の孟祥飛部長によると、同センターは国家気象局と協力し、煙霧自動化リアルタイム予報・警報システムを開発した。

天河は幅広く利用されている。劉センター長は、「天河1号は誕生後、中国の高性能計算の能力と水準を育成した。天河の利用率は現在80%に達しており、毎日ユーザーに140万有効マシン時間を提供し、1000以上の計算任務を遂行し、600社以上のユーザーにサービスを提供している」と説明した。(編集YF)

「人民網日本語版」2014年12月31日

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