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炊飯器の一件から革新のエネルギーを見いだそう (2)

人民網日本語版 2015年03月05日08:23

それから30数年が経ち、中国でも同じような問題が起こった。韓国の30数年あまりの発展を経て、韓国の人々が日本製炊飯器ばかりを好むということはなくなり、韓国製炊飯器が中国人観光客の間で人気を集めている。韓国の空港では家電製品の箱をぶら下げた中国人観光客の姿をよく見かける。かつて国産品を信用しなかった韓国人は、今では国産品を愛用する人々の代表的な存在になっている。こうした変化を後押ししたのは、社会の発展であり、企業の努力であり、世論が問題を正視したことの結果だ。

社会の需要が社会の生産を決定づけるが、社会の生産は需要に遅れることがしばしばだ。人々の安価な商品に対する需要を軽視しないことと同時に、新しい社会的需要に注目することがより必要になる。中国の一部の富裕層は、よりよい製品とよりきめ細かなサービスを求めており、そのためには労力も出費も厭わない。日本では1万元(1元は約19.1円)近くもする炊飯器は少数派ではなく、完全手作業の鉄製内釜を作るメーカーもある。こうした製品は激しい競争の中にあって、それぞれ内釜のコア技術をもち、はっきりとした特徴を備えている。つまり、日韓の技術にはトップメーカーとしての強みがあるだけではないということだ。製品の差別化や細やかな配慮のためにする努力、需要の変化を見据えるメーカーの「偏執的」なまでのまなざしは、中国にも学ぶところがたくさんある。

中国人の新しい技術や製品に対する情熱は、外国の人々に大いにうらやましがられている。このため西側メディアはよく自国政府に対し、新製品に補助金を出し、中国人消費者を獲得するべきだと訴える。フランスとシンガポールにキャンパスをもつビジネススクールのINSEADのポール・エバンス教授は、「変化を好むと好むまいと、人は自分が変えられるのはいやなものだ」と的確に指摘する。炊飯器の苦悩を解決するのに、韓国は20年以上かかったが、中国はこれほどの時間を必要としないとみられる。重要なことは、需要のグレードアップ、新しいものや変化を求める鋭敏さと勇気を直視できるかどうかだ。(編集KS)

「人民網日本語版」2015年3月5日


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