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北野武の自伝的小説「菊次郎とさき」の中国語版が出版 (3)

人民網日本語版 2015年04月16日14:44

■映画で物語を語る能力に匹敵する文章の力

有名人が自分の家族のことを語ると、心を解放できずにありふれた内容になるか、過去の苦労話の一辺倒になるかのどちらかが多い。しかし、北野武の自伝的小説は、自分が正しいと感じている人が書くような毒にも薬にもならないような読み物では決してない。ある評論家は、「北野武の文章は単刀直入で、余計な言葉がまったくなく、映画で物語を語る能力に完全に通じるものがある。コンパクトでメリハリがあり、感情に流されずに冷静を保っている」と述べている。「菊次郎とさき」は、この十数年間に何度もドラマ・舞台化され、すでに定番の名作となっている。

映画界の同業者は、北野武について、「北野武はたとえ一言もしゃべらなくても、そこに顔が映し出されるだけで、なんとも言えない味が出る。だが、誰も、その表情から心を読み取ることはできない。何をやっていても、何を話していても、ふざけて真面目(まじめ)でなければ、真面目にふざけている」とコメントしている。

北野武のこの真面目でふざけた独特の芸風に、家族の影響が深く刻み込まれていることを発見するのは難しいことではない。北野武の人生は、何度もクライマックスが続き、座が白けることがまったくない映画みたいなものだ。北野武は同著について、自身の内心世界を反映したものだと語っている。「俺は、人が成長して大人になったかどうかは、両親に対する感情のあり方で判断されると思っている。両親と向き合い、両親も苦労したんだなと感じた時が、大人に向かう第一歩だと思う」と語っている。

(編集MZ)

「人民網日本語版」2015年4月16日       


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